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働くママにとって、夕方の時間は「第二の仕事」。保育園にお迎え、ご飯づくり、お風呂、寝かしつけ……。ようやく訪れた一息タイムも、保育園の準備や連絡帳の記入などまだまだやる事が山積み。ご紹介するのは、そんな忙しい毎日の中で起きた、私の姉のお話です。

仕事終わりは1日のゴールじゃない

私は出産前から働いていた会社に復帰し、現在は時短勤務で仕事と育児を両立しています。その日も例外なく忙しい一日。仕事からヘトヘトになって帰宅し、子どものお迎え、ご飯の用意、お風呂に歯磨きに寝かしつけ……。

やっとのこと全工程を終えたところで、21時。子どもも寝静まり静かになった部屋で「やれやれ……」と一息つきたいところですが、まだやることが残っています。

眠気と疲労の中で始まる「オムツ記名作業」

息子が通う保育園では「オムツ1枚ずつに記名」がルールでした。寝かしつけた後、キッチンのテーブルにオムツの束と油性マジックを並べ、半分寝ながら記名作業を始めました。

「はぁ……私、人生でこんなにオムツに名前書くと思ってなかった……」そうボヤきつつも、ルーティーン化しているので手は無意識に動いていきます。ぼーっとしながら、ひたすら同じ文字を繰り返し繰り返し書く作業。1枚、2枚、5枚、10枚、20枚……。ふと、私は手を止めました。

まさかの名前……それ誰の?

なんとなく違和感を覚えオムツに目をやると……。そこには、黒々と太い文字で、しかも大きく、こう書かれていました。

「みかん」

息子の名前ではありません。それは、飼い猫の名前でした。テーブルの上には、すでに20枚以上のオムツが広がっています。しかし、どれを見ても書かれているのは「みかん」。その光景を見ながら思いました。「私、相当疲れてるわ……」

失敗を経て

その珍事件の証拠として、「みかんオムツ」の写真を妹に送ってみると、スマホを見た瞬間爆笑。その後、なんとか「みかん」の下に息子の名前を書き直し、保育園にオムツを預けてきました。オムツを見た先生も、さぞ驚いたと思います。

この事件以来、私は「お名前ハンコ」という文明の利器を導入。「もう二度と猫の名前は書かない」そう固く決意した夜でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2015年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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