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職場で会社の備品を私的に使用する方を見たことはありますか? 私がコピー機で目撃したのは、あまりに大胆な先輩の行動。本人はと軽い気持ちだったようですが、その行動が思わぬ代償を生むことに……。

勤務時間後のコピー機に広がる異様な光景

年末が近づいたある日、職場の先輩社員・Aさんが社内のコピー機で何か印刷し始めました。印刷していたのは、何と年賀状。取引先などではなく、プライベートで送るものでした。
勤務時間外とはいえ、まだ残っている社員も多く、コピー機を独占されて業務に支障が出る人もちらほら。

社内のコピー機を私用に使うことは禁止されていましたが、Aさんは「ちょっとくらい平気だよ」と笑いながら堂々と作業を進めていました。机の上には印刷済みの年賀状が次々と積まれていき、周囲も「大丈夫なのかな」と心配そうな顔。

部長が現場を目撃

そんなとき、帰ったはずの部長が偶然コピーを取りに来て、現場を目撃してしまったのです。コピー機から年賀状が次々と出てくる様子を見て「これ、私用だよね?」と鋭く指摘。

Aさんは「試し刷りで……」とごまかそうとしましたが、机に積まれた大量の年賀状がすべてを物語っていました。結局、私用利用が発覚し、厳しく注意を受けたうえで、コピー代を全額支払わされることに。

信用を落とした“ちょっとしたズル”

その場はそれで収まりましたが、社内でのAさんの信用は大きく揺らぎました。

実は、「来年は課長になる」という話が上がっていたAさん。後日、部長が打ち合わせの場でコピー機の件とあわせて「今回は見送りだ」と口にしているのを耳にしました。
昇進の話が立ち消えになり、本人もかなり堪えている様子で胸が痛みました。

それでも努力を続ける姿

一見「そんなことで?」と思えるかもしれませんが、会社にとって“信用”は何より大事です。Aさんもそれを痛感したのか、以降は規律を守り、信頼を取り戻そうと努力しています。

ちょっとした気の緩みやズルは、思わぬところで大きな代償になる。あの日の年賀状印刷は、私にとっても「職場での信用の重さ」を改めて考えさせられた、忘れられない出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2021年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

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