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親にとってありがたい、小さな子どもは無料になるサービス。バイキングレストランで働いていた時にやってきた2人の女性客。聞いた子どもの年齢には違和感があって……? 今回は、筆者の知人・Nさんから聞いた話を紹介します。

子ども料金

季節は冬。一段と冷え込むランチタイムに、親子連れが2組来店しました。
どうやらママ友同士でランチのようです。子どもたちは外食にごきげんな様子でした。

席に案内し、バイキングの流れや料金の説明を行います。子どもは3歳以下は無料。4歳から料金が発生する仕組みです。
注文を伺うと、片方の女性がこう答えました。

「えっと、大人が2人に、3歳以下の子どもが2人ね」

疑わしいけど……

その注文には違和感がありました。連れている子どもたちは、どう見ても3歳よりは大きく見えたのです。

私も子どもを育てる母親なので、おおよその年齢は見当がつきます。しかし、子どもの成長は個人差があるので、勝手な憶測で決めつけたりはできません。
一瞬考えましたが、そのまま注文を受けることにしました。

「ご注文を繰り返します。大人の方が2名、3歳以下のお子様が2名でお間違えないでしょうか」
「間違いないでーす」

これでよかったのか……もやもやした気持ちを抱えつつ確認を済ませると、ある声が割って入ってきました。

小さい子扱いしないで!

「ねぇ! わたし3さいじゃないよ! もう4さいのおねえちゃんだよ? なつやすみにみんなでパーティーしたじゃん」

子どものまっすぐな叫びに、一瞬空気が固まります。明らかに動揺している母親たち。みるみる顔か真っ赤になっていきました。

気まずい空気の中、注文は大人2名、4歳以上2名で取り直すことに。
よっぽど恥ずかしかったのでしょうか。その親子たちは30分ほどで食事を済ませ、そそくさと去っていきました。

子どもは親を見ている

自分が子どもの頃、大人から「悪いことはね、お天道様が見ているよ」とよく言われたものです。
小さなことでも、悪いことは必ず誰かが見ている。
あの母親たちにとってのお天道様は、子どもたちだったのかもしれません。
今回のことをきっかけに、子どもに正直でいられる親であってほしいと強く願った出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

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