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職場での出世争いは、人間関係に歪みを生むことも……。ある時、出世を狙って手柄を横取りしようとした先輩がいました。これは、保険会社で勤務していた頃、後輩のマリさん(仮名・25歳)が教えてくれたエピソードです。

口ばかりで評価を得る先輩

私の部署にいた、北山先輩(仮名・30歳男性)。
「絶対出世する」という意識が強く、上司をゴルフに誘ったり、呼ばれていない飲み会に参加してコネ作りをしたり。一方で、肝心の業務は後輩に押し付けていました。

口先と立ち回りで成果を得ようとする姿は、実態を知っている後輩からは良く思われていませんでした。

努力の末に勝ち取った契約

そんな中、私と事務担当の女性2人は、数か月にわたり提案書作成や会議を重ね、ついに300万円の契約を獲得します。成果自体はもちろん、何よりチームとして協力できた達成感が嬉しかったことを覚えています。

契約者であるマダムは「他の保険も任せたい」と信頼を寄せてくださり、一緒にランチへ行くなど、良好な関係が築かれていました。

手柄の横取りと、それを救った救世主

ところが、なんと北山先輩がその案件を自分の成果のように上司に報告。さらには研修で好事例として発表する話まで進みます。

事情を聞いたマダムは驚き、「あなた達が頑張ったことは私が一番知っているわ」と強い眼差しで言いました。
そしてその足でデパ地下へ行き、有名洋菓子店のフィナンシェを購入。「これを上司に渡して」と手渡してきたのです。

不思議に思いながら上司に渡すと、すぐに北山先輩と一緒に別室へ呼ばれました。

「あの契約はお前のものではないのか」

上司は北山先輩を問いただし、先輩はついに嘘を認めます。上司は私に謝罪をしてくれ、私の実績として事例も発表できることに。

真実の発覚と逆転劇

「どうしてわかったんだろう?」とお菓子の箱を覗くと、マダムの丁寧な文字で綴られたメモが。

「いつもマリさんと事務のお二人には大変お世話になっております。先日の三人からのご提案はとても素晴らしく、今後とも末永くお付き合いしたいと思っております。これからも“華の女子三人チーム”と楽しくお取引させていただきます」

私にとって、この出来事は「お客様が最大の味方になってくれる」ことを実感した忘れられない経験となったのです。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2017年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

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