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これは、私が勤めていた職場の後輩男性が経験したエピソードです。銀行で働き始めてあっという間に早4年。業務に不満もなく、毎日楽しく銀行員ライフを送っていた後輩に起こった、不可解な出来事とは一体……?

孫のように可愛がってくれるお得意様

お得意様の80代女性の田中さん(仮名)は「遠くに離れて暮らす孫みたいで放っておけないわ」と、特に僕を可愛がってくれていました。

「ご苦労様。これ、よかったら食べてね。甘いものは疲れがとれるからね」と、来る度にちょっとしたお菓子を渡してくれます。「ありがとうございます。休憩中にいただきますね!」と受け取りながら、その心遣いにほっこり。

謎の体調不良

そんな穏やかなやりとりが続いたある日のこと。僕は急におなかを壊してしまいました。トイレに駆け込み、「変なものでも食べたかなぁ」とぼんやり考えながら業務に戻ります。

そして「田中様がご来店されてますよ」と、受付窓口の担当者に声をかけられました。その頃には腹痛のことは忘れていて、いつも通り「本日もご来店ありがとうございます。こちらへどうぞ」と笑顔で挨拶をして接客に移りました。

あっという間にお別れの時間

「ありがとうね、楽しかったわ。はい、じゃあこれ! 小腹が空いたときに食べてね」と、席を立つ田中さん。「こちらこそ、いつもありがとうございます。なんだかもらってばかりで申し訳ないです。手ぶらで気軽に来店してくださいね」と、そんなやり取りをしてから数時間後一一。

「ぐるぐるぐる~」

隣に座っている同僚に聞こえるほどの音がお腹から鳴り、またも慌ててトイレに駆け込むことになったのです。

真相が明らかに

トイレから戻ると、「そういえば、田中さんと会うたびにお腹の調子悪くない?」と同僚がポツリ。言われてみれば、確かに。もしかして……と思い、田中さんからもらったお菓子を確認してみると、お菓子の賞味期限がとうに過ぎていることが判明!
「田中さんが食べる前に知らせてあげなくちゃ!」と、急いで電話をしました。

「田中さん、いただいたお菓子の賞味期限がとっくの昔に過ぎてます! 何かあっては大変なので、くれぐれも食べないでくださいね!」と伝えると、「あら、わざわざありがとうね。昔は戦争で食べ物がないときもあったから大切にしないとね。大丈夫大丈夫。気にせずいつも食べてるけどピンピンよ~」と、賞味期限をあまり気にされてないご様子。

食べ物を大切にする姿勢や元気な姿を微笑ましく思う反面、やっぱり心配だから賞味期限は守ってほしいと願う僕でした。そして、今度自分が食べる時は必ず賞味期限を確認しようと思います。

【体験者:20代・男性会社員、回答時期:2020年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。

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