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銀行員として長年働き、数々の修羅場を渡り歩いてきた筆者の先輩。「クレーム対応はお手の物よ」とまで豪語する先輩でも、オロオロしてしまうような場面に遭遇することもあったようです。そんなベテラン銀行員をクレームから救った意外な人物とは一一?

銀行が最も混むお盆

お盆といえば世間はお休みですが、実は銀行は通常どおり営業しており、平日に銀行になかなか来られないお客様が殺到する繁忙期。その日も支店内はお客様でごった返しており、ATMに並ぶ列は支店の外にまで続いていました。

こんなときに限って

「どうなってるんだ!? ︎ATMが故障して入金できないぞ!」

50代後半と見られる男性のお客様の入金操作中にATMが故障し、エラー音が鳴り響いています。「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。すぐに対応いたします」すぐに謝罪して社員が二人がかりで復旧を試みるも、挟まったお札がビリビリになり奥深くに入り込み、一筋縄ではいきません。

長蛇の列で待たされた挙句、故障でさらに待つはめになったお客様はますますイライラモードに……。

ついに、お客様の怒りはピークに

「前にも同じような故障があったんだよ。いったいどんなメンテナンスをしてるんだ! こっちは用事があって急いでるんだよ!」とお客様が大声で怒鳴りだす事態に発展してしまいました。

上司も飛んで来て、「大変申し訳ございません。もうしばらくお待ちください」と必死に対応にあたることに。

(どうしよう……お客様の怒鳴り声で、さらに焦って作業がうまくいかない……)
そのときでした。

まさかの意外な救世主が!

「人がたくさんいる場所では、大きな声で騒いじゃいけないってママに教わったよ」

振り返ると、そこにはATMに親子で並んでいた4歳くらいの男の子が、キリッとした表情で立っていたのです。男の子の言葉に男性もハッと我に返ったのか、バツが悪そうに「ご、ごめんね……」とポツリ。

結局、故障の原因も日本札の中に米ドル札が混じっていた人的ミスで、メンテナンス不良ではないことが判明しました。「自分のせいなのに大声を出して申し訳なかった」と男性も謝ってくださいました。

大人になって社会に揉まれていると、ふと本来の自分を見失うような感覚や基本的なマナーを忘れてしまう瞬間も。男の子のまっすぐで素直な言葉に「自分の言動を見直すことの大切さ」を思い出した出来事でした。

【体験者:40代・銀行員、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。

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