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今回は、筆者の友人・Mちゃんがアパレルショップで働く中で体験した、“お局さんとの静かな戦い”についてのエピソードをご紹介します。Mちゃんの行動が職場全体にどんな変化をもたらしたのか……? ぜひ最後までご覧ください。

「なんか気に入らない」お局のターゲットにされた新人Mちゃん

アパレルショップで働き始めたMちゃん。真面目で責任感が強く、仕事もきちんと覚えようと努力するタイプだったMちゃんは、すぐにスタッフさんや店内の雰囲気にも馴染んでいきました。……ただ一人、Sさんを除いては。

Sさんは長年勤めているベテランで、店長すら遠慮するほどの存在。Mちゃんに対しても「それ非常識じゃない?」「昔はもっと苦労してたのよ」と、何かにつけて上から目線で詰め寄る毎日でした。

他のスタッフたちは、目をつけられたくないあまりSさんの機嫌を取ることに必死で、誰も正面から注意する人はいませんでした。けれど、Mちゃんが一人で我慢していることに気づいていたスタッフも多く、何かあったときはさりげなくフォローしてくれる人もいたことがMちゃんの心の支えになっていたそうです。

「この新人、やるじゃん」一瞬で空気が変わったクレーム対応

ある日、事件が起こります。Sさんが対応していた顧客の取り寄せ商品に関する伝票処理にミスがあり、後日そのお客様から怒りのクレームが! 店内がピリッとした空気に包まれる中、焦ったお局さんは対応に右往左往。電話対応もうまくできず、お客様はさらにヒートアップ……。

そのときMちゃんがスッと前に出て、「もしよろしければ、私が代わりに対応いたします」と落ち着いたトーンで引き継いだのです。電話対応、謝罪、状況整理、書類確認……どれも手際よく、完璧な仕事ぶり。実はMちゃん、アパレル業界は初めてではなく、前職で接客トラブル対応の経験が豊富だったのです。

結果、お客様はすっかり落ち着き、「今後もあなたに担当してほしい」と言い残して電話を切りました。

「助かったよ」店長の一言に、Sさんは?

その様子に店長が一言。「今回はMさんの機転に助けられたね」

場の空気が一瞬静まります。そこで、Sさんが何か言おうとして……言葉を飲み込んで黙り込んだのです。スタッフ全員が「Sさんが言い返さないなんて……!」と驚きました。誰も拍手はしませんでしたが、心の中ではMちゃんの対応にガッツポーズを決めていたとのこと。

後日、同僚の何人かがMちゃんにこっそり声をかけてきました。「Mちゃんのクレーム対応、本当にすごかった!」「Sさんが怖くて何も言えなかったけど、ずっと気にしてたの。助けてあげられなくてごめんね……」Mちゃんは、その言葉だけで報われた気がしたそうです。

態度が一変。お局の変化と職場の未来

あの日を境に、Sさんの態度は明らかに変わりました。これまでのような露骨なマウント発言は影を潜め、あからさまな無視もなくなったとか。Mちゃんにとってはもちろん、他のスタッフにとっても居心地が少しずつ良くなり、職場全体がなんとなく柔らかい空気になっていったそうです。

後にMちゃんは「長く働いてるから偉いってわけじゃない。仕事は年数よりも、どれだけお客様や仲間のために動けるか、だと思うんだ」と語っていました。

【体験者:20代・販売員、回答時期:2015年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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