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子ども同士のトラブルは、よくあること。けれど、大人の対応次第では話が思わぬ方向に進んでしまうこともあります。今回は筆者本人が体験した、学校という小さな社会の中で、親としてどう向き合うか考えさせられたエピソードを紹介します。

早朝に学校からの電話

小学校に通う息子のハル(仮名)のクラスには、元気いっぱいの男の子が多く、ケンカしても「お互い様だよね」という雰囲気がありました。そんな中、小学校入学と同時に加わったたかし君(仮名)は、少し煽るような発言が多く、他の子との揉め事もチラホラ。

ある日の朝7時半ごろ、この時間帯には珍しく担任の田中先生(仮名)から電話がありました。「昨日、ハル君とたかし君がトラブルを起こしてしまって……たかし君のお母さんが謝罪に来てほしいと言っているのですが。」とのこと。

理由を聞くと、どうやら追いかけっこ中に息子がたかし君にぶつかり、2人とも尻もちをついてしまった様子。私は8時から仕事があったので「申し訳ありませんが、夕方なら伺えます」と伝え、ひとまず出勤しました。

勤務中に再度電話が

ところが1時間後、また学校から電話。今度は副校長先生でした。「たかし君のお母さんに”夕方に伺う”と伝えたら『遅すぎる! 今すぐ来い!』と怒っていて……」と。

職場に事情を話し、抜けさせてもらって学校に到着すると、田中先生は顔色が悪く憔悴している様子。「本当なら昨日のうちにご連絡するつもりだったのですが、体調を崩してしまって……」と説明してくれました。

そういえば昨日の夕方、「帰る時、学校に救急車来てたよ」と息子が話していたのを思い出しました。

分かり合える気がしない

その後、私は田中先生と副校長先生の3人で、たかし君のお宅へ謝罪に行ったのです。副校長先生が「ハル君のお母さん、仕事中だったのですが来てくださいました」と話すと、たかし君ママは「当然でしょ? 子どもの事なんだから。仕事なんて後回しでしょ!」と一言。

その後も、「どういう教育してるんです? 転ばせるなんて」と責め立て、さらには「副校長先生も一緒に来るなんて……もしかして田中先生とそういう関係? (笑)」と、場を凍らせるような発言も。

彼女の一方的すぎる発言に、(あ、この人とは分かり合えない)と静かに感じ、ぶつかって尻もちをつかせてしまったことは謝りましたが、それ以降、息子には「たかし君とは絶対にトラブルを起こさないように」と話しました。

それはやりすぎ……

それから数か月後、同じクラスのまさ君(仮名)のママから信じられない話を聞きました。実は、たかし君とまさ君の間にもトラブルがあり、たかし君ママは謝罪を求めたそうです。

けれどそれだけでは収まらず、なんとまさ君ママの車を毎日のように尾行するように。通勤途中、ミラーを見るといつも同じ車が、車間距離を詰めて煽ってくる。

よく見ると運転していたのは、たかし君ママだったのです。恐怖を感じたまさ君ママは警察に相談し、たかし君ママは厳重注意を受けることになりました。

揺らぐ学校コミュニティ

その出来事はすぐに学校中に広まり、たかし君ママは周りから徐々に距離を置かれるように。それでも、「ドッジボールで狙われた」「今度は全然狙ってくれない」など、理不尽なクレームを言い続けていていて、親子レクなどのイベント内容も”たかし君親子に配慮したもの”にせざるを得ない場面が増えてしまったのです。

子ども以上に大人が過敏になりすぎてしまうと、学校という小さな社会が大きく揺らぎます。この一件は、過干渉や過保護の怖さ、そしてモンスターペアレントの存在が、どれだけ周りに影響を与えるのかを、身をもって知る体験となりました。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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