レジでのルール
田中さんはホームセンターでレジアルバイトとして働いていました。
その店ではキッチン用品のような小物だけではなく、家具のような比較的大きい商品も取り扱っていて、袋が不要の場合や大きい商品には、購入した印としてテープを貼るルールがありました。
テープを貼ることを拒むお客さん!
ある日、収納ボックスを複数と段ボールに入った電子レンジを購入する女性のお客さんが、田中さんのレジに並びました。
田中さんは「大きい商品にテープを貼らせていただきます」とお客さんに伝達。剥がしやすいようにテープの端を折り、商品に直接貼るのではなく、商品のタグの部分や使用前に剥がすシールの上に貼りました。
しかし、そのお客さんは「ちょっと! これからお金を払うんだから私のものでしょ!? なんでシール貼るのよ! あなたバカなの!?」と周囲が驚くほど、怒鳴り始めたのです。さらには田中さんが貼ったテープを剥がして、地面に捨てていまいました。
「お客様、申し訳ございません。こちらは購入されたか区別するためのものです。タグの上に貼り、直接商品には貼りませんので、再度貼ってもよろしいでしょうか?」と田中さん。
それでもお客さんは、「お金を払うんだから私のものって何度言えば分かるの!? あなたみたいな人がテープを貼るのはおかしい!」と怒ったまま意見は変わりませんでした。
救世主!?
ピンと張り詰める空気の中、口を開いたのは後ろに並んでいた男性のお客さんでした。
「なんでもいいから早くしろよ! テープ貼らないなら貼らないでいいけど、そんな大荷物の買い物で、退店までに店員に買ったかの確認される方が面倒だろ! その都度レシートを見せるのか? それならテープ貼ってあった方が楽だろ!」
女性のお客さんは男性の正論に言い返すこともできず、顔を真っ赤にして「……テープ貼ってちょうだい」と小さい声で一言。そして足早に退店していきました。
他のお客さんのおかげで
困った状況でしたが、他のお客さんのおかげでなんとか乗り越えることができました。
テープを貼らずにその都度レシートを見せることになると、今度は「万引き扱いをした!」とクレームになりそうだったので、その後を想定してくれるお客さんのおかげで、トラブルが大きくなることを防ぐことができました。
【体験者:20代・女性アルバイト、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。