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好きなメイクやファッションを楽しむことで自然と自信が湧き、気持ちも前向きになれることってありますよね。筆者と同じ職場にいたアルバイトの女の子からも、おしゃれを自分らしく楽しむ様子が伝わってきていました。しかしそんな彼女に、なにかと茶々を入れたがる男性が……。

控えめで大人しく、素朴な印象だった吉田さん

私が某ショッピングセンターの服屋さんで働いていた時の話です。お店には、大学生バイトの吉田さん(仮名)というおとなしく控えめなタイプの女の子がいました。

入ったばかりの頃はあまりおしゃれに関心がないように見え、服装もシンプルなことが多いように思えた吉田さん。しかし、いつしかカラコンを取り入れたりメイクをしたり、長い髪の毛をバッサリ切ってみたりと、おしゃれやメイクを自分らしく楽しむようになっていったのです。

その姿や変化を見て、私も「おしゃれやメイクってやっぱり楽しいものだな〜」と微笑ましく思っていました。

えっ!? それってセクハラ発言じゃない……?

そんなある日のこと。同僚の男性、長崎さん(仮名)が私に「吉田さん、最近おしゃれしてきてるよね」と話しかけてきました。

問題はそこから。「そうですね」と相槌を打った私に、長崎さんは「この前ネイルしてきたのを見て、『おしゃれしてきたんやね!』って言ってあげたんだよ。『女らしいことしてきたなぁ』って」などと言うのです。

「女らしい」という発言や言い方に違和感と嫌悪感を覚えた私。
「それ、セクハラじゃないですか?」と指摘しましたが、長崎さんは「いやいや、ネイルしてきたってことはそう見られたいってことでしょ? だったら男として言ってやらないと」と。

私は話が噛み合わないモヤモヤを感じながら、「吉田さんが嫌がっているようだったら話をしよう」と思い、その場で長崎さんと議論するのはやめました。

その後何度もセクハラ発言を受けていたようだが……

後日。吉田さんとシフトが被った際、話題は自然と長崎さんの話になりました。

案の定、吉田さんは困った様子でこう話してくれました。
「長崎さんとシフトが被っている時にシアー素材の服を着ていったら、『スケスケやん〜目のやり場に困るわ〜!』とかセクハラみたいなことを言われるんですよ。ネイルやアクセサリーについてもいちいち指摘してきて……」

いよいよ私が(一応私の方が先輩だし、長崎さんにもう一度注意した方がいいかも……)と思っていた矢先、吉田さんはこう続けたのです。

「でも、この前我慢できなくて『そういうこと言われるのキモいです』って直接言っちゃいました! あの人、私が言い返してこないタイプだと思っていたみたいでめっちゃびっくりしてました!」

吉田さんの堂々とした振る舞いに感動

控えめでおとなしかった吉田さんが、自分らしくおしゃれを楽しみ始めただけでなく、嫌なことは嫌としっかり伝えられるようになっていたなんて! 私はその姿に感動しました。

ちなみにその後、長崎さんのセクハラ発言は吉田さんがその都度注意したおかげで減っていったそうです。自分らしいメイクやファッションだけでなく、自分の気持ちを大切にできることの素晴らしさとかっこよさを教えてもらった出来事でした。

【体験者:30代・販売員、回答時期:2023年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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