私の新たな一歩を後押ししてくれた同僚との出会い
私がショッピングセンターの服屋で働いていた頃、職場に山川さん(仮名)という主婦の方が入社。同じ主婦で年齢も近かったこともあり、私はすぐに山川さんと打ち解け、仕事や子育て、プライベートの話などを交わすようになりました。
山川さんは前職で医療事務をしており、アパレルの仕事は今回が初めてとのこと。話を聞いてみると、本当は医療事務の仕事に戻りたかったけれど、子どもが小さいためフルタイムでは働けず、時短勤務が可能だったアパレル業界に飛び込んだのだそう。「全く違う業種で最初は不安もあったけれど、やってみたら楽しい」と笑顔で語る彼女の姿が印象的でした。
ずっと接客業が天職だと思っていたけど……
一方で学生時代からずっとアパレル販売に携わっており、この仕事にやりがいを感じ「自分の天職だ」と思って働いていた私。山川さんのように他の職業を経験したことはありませんでした。
会話を重ねるうち、彼女のチャレンジ精神に刺激を受け、私も新しい世界に挑戦してみたいと強く思うように。「医療事務ってどんな仕事?」と質問をすると、山川さんが「資格を取るのは今の仕事を続けながらでも挑戦できる」とアドバイスをくれました。それがきっかけで、私は医療事務の資格を取ることを決意したのです。
思っていたよりハードな毎日。だけど今までにない充実感!
新しいことにチャレンジする高揚感でワクワクしながら挑んだ勉強でしたが、学生という立場ではなくなった分、思っていたより簡単なことではありませんでした。家事や育児、そして日々の仕事をこなしながらの資格取得は想像よりもハードで、めまぐるしく過ぎていく毎日。
しかしその分達成感が高く、毎日が充実したものになっていったのです。資格を取得するまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、やっとのことで医療事務の資格を手にしたとき、私は自分自身の成長を感じることができました。
そしてなにより、山川さんとの出会いによって私の視野が広がり、別の世界に挑戦する勇気も与えてくれたことに、大きな感謝の気持ちが芽生えました。
チャレンジすることの素晴らしさ
資格を取得した後もアパレルの仕事を続けましたが、資格を取ったことで、いつか医療事務員として働く未来も視野に入れることができました。山川さんのように、新しいことにチャレンジして自分の可能性を広げる姿勢を見習い、私もこれからの人生をより豊かにしていきたいと思っています。
【体験者:30代・販売員、回答時期:2023年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。