口はうまいがサボり癖のある同僚
私が某ショッピングモール内の服屋で働いていたときのことです。
同僚のFさんは、40代のフリーター男性。おしゃべり好きで明るい性格でしたが、仕事ぶりには問題が多々ありました。普段から店長がいない日はサボることが多く、トイレに行けば30分以上帰ってこなかったり、休憩時間を過ぎてもお店に戻らないことも。
そのため、他のスタッフからの評判も良くありませんでしたが、Fさん自身は「自分は上手に手を抜きながら気楽に仕事をしている」と自信ありげに話していました。
ディスプレイ変更を任せた結果
ある日、私は退勤時間になってもディスプレイの変更が終わらず、仕方なくFさんに作業を託すことに。彼は元気よく「任しといてくださいよ!」と言ってくれたため、信じることにしました。しかし翌朝出勤してみて、唖然としました。
私が退勤してから閉店まで6時間あったのに、作業はほとんど手付かずだったのです。「一体何をしていたのだろう……」と疑問を抱きつつ、仕方がないので自分で残りの作業を片付けることに。朝の他の業務も重なり、完成したのはお昼頃でした。
Fさんの言い訳に呆れる
その日の遅番でFさんが出勤。内心腹が立っていた私は思わず「Fさんにお願いしたところ、何もやっていなかったんですけど、どうしてですか?」と聞きました。
すると彼は、「やろうと思ったら忙しくなって」「帰り際のOさんが話しかけてきて、全然帰ってくれなかったんだよ」とゴニョゴニョと言い訳を並べ始めるのです。
これ以上聞く気になれなかった私は「もういいです、私が全部やっておいたので」と伝えます。すると、Fさんから衝撃のコメントが。
「えー、やるやん」
店長とスタッフが真相を明らかに
後日、店長とOさんにこの件を話したところ、驚くべき事実が判明。
Oさんは、「Fさん、私が退勤しようとしたら話しかけてきて、全然帰らせてもらえなかったんですよ」と、Fさんの言い分とは正反対の証言をしたのです。Oさんは「Tさん(私)にお願いされていた作業のことも知らなくて……本当にすみません」と謝罪までしてくれました。
店長も「その時間帯、売り上げは全く立っていないから忙しくはなさそうだけど」とコメント。その場にいたOさんも、「その日は忙しくはなかったんです。ただ、Fさんがトイレから全然戻ってこなくて……」と。
店長は事態を重く見て、「F君としっかり話をする必要があるね」と一言。その後、Fさんは店長から厳重注意を受け、しょんぼりと小さくなっていました。
他人に迷惑をかける「手抜き」の結末
Fさんは「うまく手を抜いている」と自慢げでしたが、人に迷惑をかける働き方は、決して「うまい」働き方とは言えません。仕事はチームプレー。不真面目な態度は必ず見抜かれてしまいます。「人と支え合う気持ちを大切にこれからも仕事をしていこう」と、改めて思った出来事でした。
【体験者:30代・販売員、回答時期:2023年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。