~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~
お店で働いていると、お客さんはもちろんのこと、業者さんとの関係も大切です。今回は筆者本人が経験した、思わずキュンとしてしまった配送業者のドライバーさんとのエピソードを紹介します。

顔なじみになった、いつも笑顔の配送業者

私の働くドラッグストアには、商品だけでなく各メーカーからの荷物が毎日のように届くので、配送業者のドライバーさんとは顔なじみになります。

そんな中、5年くらい前から担当になった20代半ばの男性ドライバーS君。いつも笑顔で人懐っこい彼は、店に来るたびスタッフみんなに声をかけて行きます。届ける荷物がない日でも、買い物しながらあいさつしていくような人。40代以上の女性スタッフが多いので、我が子と重ねる人も多く、「いい子だな。可愛いな」とS君が来るたびについつい親目線で見てしまうのです。もちろん、私もその1人。

「今日はお別れのあいさつに……」

ある日、手ぶらで店をウロウロしているS君に気づいた私は、「あれ? 今日は買い物だけだった?」と品出しをしながら聞きました。すると「いや、今日はちょっとお話があって……」ともじもじするS君。いつもと違う様子だったので、私は仕事の手を止め、S君と向き合いました。

「実は、今日はお別れのあいさつに来たんです。あ、もちろん買い物もしていきますよ!」と、まさかのお別れ宣言!

別れの理由、実は……

突然の報告に「辞めるの? それとも異動?」と聞く私。「いや、辞めるでも異動でもないんですよね」と照れくさそうに答えます。そして、「実は、育児休暇を取ることにしたんです! 昨日奥さんが出産したんですけど、思い切って6か月の育休取っちゃいました!」と、はにかみながら嬉しそうに話してくれたのです。

S君からの幸せ報告。私は仕事中ということも忘れ、「わぁー! おめでとうー!」とついつい叫んでしまいました。

騒ぎを聞きつけて集まった同僚たちにもS君は報告。「いつも良くしてくれてるこの店の皆さんには伝えておきたくて……」というS君に、「おめでとう!」「大変だけど、奥さんを休ませてあげてね」「育休が終わったらちゃんと戻ってくるんだよ!」と、お祝いの言葉でいっぱいになりました。

これからも人との繋がりを大切にしていこう!

S君は帰り際、「仕事では来られなくなるけど、奥さんと子どもを連れて買い物に来ますね!」そう言って、笑顔で店を後にしました。

届ける荷物がなくても、しばらくのお別れと出産報告をしに来てくれたS君。ほっこり癒やされたと同時に、今まで以上に人との繋がりを大切にしていきたいと思った出来事でした。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

This article is a sponsored article by
''.