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アパレルで働いていると、避けて通れないのが「返品対応」。お客様はさまざまな理由で返品を希望されますが、中にはお店の規定上お受けできない場合もあります。今回は、私がこれまで経験した中でもダントツに驚いた返品理由についてお話します。

使用感のあるジャケットを返品したいと持ってきた男性

私がアパレルショップで働いていた時のことです。ある日、40代くらいの男性のお客様が、使用感のあるジャケットを手に店を訪れました。そのジャケットを返品したいとのことでしたが、状態を確認すると明らかに何度か着用された様子で、タグもレシートもありませんでした。

当店では「レシートを持参し、購入から1週間以内であれば返品可能」というルールがあり、その条件には合致していない状況です。返品が難しい旨を説明しようとしたところ、男性は真剣な表情でこんなことを言い始めました。

マッチングアプリでうまくいかないのはこのジャケットのせい?

「このジャケットを着てマッチングアプリで知り合った女性たちとデートに行ったんですけど、その後みんな連絡が取れなくなってしまって……。もしかして、このジャケットが悪いんじゃないかと思ったら縁起が悪く感じて、返品したいと思ったんです」

あまりに想定外の理由に、一瞬耳を疑いましたが、どうやら本気のようでした。

しかし、返品には商品の状態や購入時の証明が必要です。丁寧に規定をご説明しましたが、男性は次第に感情的になり、「返品できないなんてありえない! なんでダメなんだ!」と声を荒らげ始めたのです。

根気よく規定を説明。なんとか納得してくれたけど……

その後、上司が対応にあたり、返品規定について改めて丁寧にご説明しました。お客様は最初こそ納得されない様子でしたが、根気よくお話した結果、最終的にはご理解いただくことができました。

去っていくお客様を見てホッとしましたが、「まさかそんな理由で返品を希望されるなんて……」という驚きと戸惑いが胸に残るのでした。

「人対人」の接客業はドラマが生まれる

アパレル販売員をしているとさまざまな返品理由に出会いますが、この時ほどインパクトのある理由はなかなかありません。返品対応も、時には予測不能なドラマが生まれる瞬間だと感じたエピソードでした。

【体験者:30代・販売員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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