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だれしも一度は職場での人間関係に悩んだことがあるのではないでしょうか。今回は、私がホームセンターで働いていたときのエピソードです。他の従業員には優しいのに、私にだけ冷たい態度の内山さん(仮名)。その理由とは……!?

私にだけ冷たい先輩社員

新入社員だった私の配属先は、地元の店舗。そこでインテリア担当になりました。同じ売り場には、私の他に女性が1人、50代の男性社員の内山さんがいます。ベテランの内山さんは優しく、他の従業員が頼りにしていることが新入社員の私にも伝わってきました。

しかし、内山さんは私には冷たい態度。時には、「一つの仕事に時間をかけて今日退勤できるの? 誰も手伝わないよ」と言い放つこともありました。それは、他の従業員からも「内山さんはあなただけに冷たい」と噂になるほどでした。

内山さんの厳しいコメント

また、私が本部から届いた指示書通りに売り場作りをしていると、「指示書通りに売り場を作って、お客さんのことを考えたことあるの? それだとお客さんは商品を取りにくいでしょ! 少し考えてから売り場を作りな!」と言われたことも。

ほかにも、私が困っていたときのこと。私の会社では次のシーズンが始まるまで、空いたスペースに相応しい商品は何かを考えて展開しなければいけませんでした。展開する商品に迷っていると、通りがかった内山さんが足を止めます。

「過去の売り場データを持っているわけではないんだから、自分が売りたい商品を展開すればいいんじゃないの? 考えたところで答えは出ないでしょ。一度やってみて、そこから分析していけばいいじゃん」

内山さんは、それだけを言うと去って行きました。言い方は厳しいけれど、的確なアドバイスに納得して、私は自分の思う商品で試してみることを決めたのです。

転勤後の再会

数ヶ月後、私は転勤することに。初めての転勤で不安もありましたが、内山さんが教えてくれたことを活かしたおかげで仕事は順調でした。さらに数年後には昇格をし、役職を持つことになったのです。

しばらくして、実家への帰省ついでに前の店舗に顔を出すと、売り場で内山さんを見かけました。
昇格したことを報告しようと思い、私から「お久しぶりです。覚えていますか?」と声をかけました。すると、内山さんから驚きの言葉が。

「そう言えば昇格したんだよね? おめでとう! 毎月異動名簿を確認してて見つけたんだよね! いや~、すごく嬉しかったよ! ここまでよく頑張ったし、すぐ出世するだろうなって思っていたよ」

私は内山さんの優しい声色に、思わず涙が出そうになりました。
正社員は、異動名簿で全国の異動者を確認することができます。そこには異動だけでなく、昇格や降格も載っています。内山さんは、異動後も名簿を見て私のことを気にかけてくれていたのでした。

内山さんの優しさ

このとき、内山さんは私のことを思って厳しく接していたのだと気が付きました。
いつも厳しいながらも的を射たアドバイスをくれ、今後に活きる知識や考え方を教えてくれた内山さん。温かい優しさをこれからも忘れることはありません。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2023年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。

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