猛暑の中、外仕事ということもあり、水分補給をする木下さん。
しかし、それを見て嫌味を言ってくるお客さんがいた時、救世主となったのは……!?
ホームセンターの仕事
私が勤務していたホームセンターには、店外にも園芸用品や資材の商品が陳列されていました。
そこの売り場の担当になった社員は、夏の暑さや冬の寒さに関係なく、必然的に外での仕事が多くなります。私はまさにその園芸売り場の担当をしており、暑い中、植物に水をあげることも業務の一環として行っていました。
猛暑日
ニュースでも「各地で猛暑日となるので、こまめな水分補給をして下さい」と注意喚起があった、ある日のことです。
その日は、外に少しでも居続けたら汗だくになる程、暑い昼間でした。お昼頃、私は仕事をひと段落させ、汗だくで室内の園芸館に戻ってきました。園芸館には、商品の注文や花のラッピングを行うために園芸カウンターというものがあります。
私はそこへに行き、近くにお客さんがいないことを確認。
そして、お客さんから見えないように座って、一瞬でタオルで汗を拭き、水分補給をしました。
水分補給を嫌がるお客さん!
しかし、その一部終始を見ていたある男性客がいたのです。
そしてその男性客は私のいる園芸カウンターへ駆け寄ってくると、「おい! お前! 客の前で水分を摂るな! 客に失礼だと思わないのか!」と叫ぶのでした。
私は男性客のあまりの剣幕に驚き、「申し訳ございません!」と咄嗟に謝罪をした後、急いで立ち上がったのでした。その時、そのやり取りを見ていた女性客が近づいてくる姿が横目に見えたのです。そして、彼女は男性に向かってこう言いました。
「あら、高橋さん(仮名)じゃないの。今日は猛暑日ね。この暑さでお店の方が倒れたら、私達お客さんは買い物ができなくなり困ってしまうわ。それでも水分補給は許されないのかしら? あなたはこんな暑い中、水分を取らないで全く平気なの?」
それを聞いた高橋さんは何も言えなくなり、その場から気まずそうに立ち去って行ったのです。
熱中症になる前に
私は見ず知らずの自分をかばってくれた女性客に、お礼を言いました。
話を聞くと、彼女は男性客の家の近所に住んでいて、顔見知りだったようです。
スーパーやホームセンターに行くと、「従業員の水分補給の時間です」というアナウンスを聞くことがあります。店外だけでなく、店内の従業員も熱中症になる可能性があります。
お客様や従業員など関係なく、皆が気持ちよく仕事や買い物ができるよう、お互いに視野を広く持っていたいと感じた出来事でした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。