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私が以前働いていた調剤薬局事務の世界は女性社会でした。女性従業員同士のいざこざがよく巻き起こっていたんです。今回は、仕事中ではなく、まさかの休憩中に起こった女同士の修羅場エピソードを紹介します。

マイルールを押し付けてくるAさん

私が入社2年目、異動したばかりの店舗での出来事です。その店舗には自分で「マイルール27か条」なるものを作成し、決めたルール以外の仕事は絶対にやらない、ちょっと変わった女性社員Aさんがいました。そのマイルールのせいで仕事がうまく回らず、Aさんが残した業務を他の人が処理しなければならないことも多々。そんなAさんに、周りの事務員さんや薬剤師さんはうんざりしていました。

そんなAさんのマイルールのひとつが、“送別品や出産祝いなど、同僚への贈り物にお金は一切出さない”という決まり。後に、このルールが悲劇を生むことになるのです。

情に厚い先輩 VS 自己中心的なA

当時、私には4つ年上で仲の良い事務員Bさんがいました。仕事ができて優しくて、頼りがいがある先輩なのですが、なぜかAさんはBさんのことが大嫌い。見ていてハラハラするような場面に出くわすのは日常茶飯事で、お互いの愚痴を聞かされ、2人の間に挟まれることもしょっちゅう。

Bさんは情に厚く、お世話になっている人には感謝の気持ちを忘れず、困っている人がいたら一緒に頑張る。そんな人だったので、Bさんも自分のことばかり優先するAさんの行動が許せないようでした。

修羅場は突然に……

悲劇は突然やってきました。ちょうどお昼休憩中だった私のところにAさんが来て、「少し時間あるから、寝てくるね~」と、カーテンで仕切られた仮眠ルームへ。ほどなくBさんが休憩室に入ってきて、とんでもない話を始めました。

「今日、Aさんがいなくて最高! Aさんって本当に勝手に仕事のルール作って、嫌な仕事は人に押し付けてくるよね。しかも、プライベートでも人に贈り物する時にお金を出さない。ケチすぎるんだけど。私ああいうのほんとに許せない。人としてどうかと思う」

一瞬の出来事に、私は血の気が引く感覚がしました。

次の瞬間、カーテンからものすごい勢いでAさんが出てきて、「私ここにいますけど」と一言。私は「終わった……」と頭の中が真っ白に。その後、地獄のような悪口の言い合いが始まり、収拾がつかなくなってしまいました。間に挟まれた私は完全にお手上げ。最後は上司が間に入り、なんとか場を収めることができました。

犬猿の仲に終止符

その後2人がどうなったかというと、結局先輩Bさんが他店舗へ異動することに。意外だったのが、Aさんがそれ以降マイルールをやめ、驚くほどきちんと仕事をするようになったことです。

陰口は良くないことですが、陰口をきっかけに人が変わることもあるのだなと思いました。もしBさんが陰口ではなく、面と向かって話をしていたら、結果はまた違っていたかもしれませんね。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2021年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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