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筆者がホームセンターに勤めていた時の話。妊娠による体調不良が続いていたため、安定期に入る前に早めに上司に報告をしようと決意。初めての経験なのでドキドキしながら、報告にいきました。しかし、上司から返ってきた言葉は予想外で──?

ホームセンターで働く妊婦

私はホームセンターに正社員として勤めていました。覚えることが多い中、必死に勉強をして4年目には日用品の売り場の責任者となりました。
責任者といっても、指示出しや管理だけしていればいいのではなく、段ボールケースに入った飲料をバックから売り場に出すなど、体力勝負な品出しも行っていました。また、クレームや問い合わせがあるたびに呼び出され、常に売り場を駆け回っていました。

妊娠報告

そんな中、妊娠が発覚。お腹の張りや腹痛、息苦しさ、めまいが続き、妊娠前と同じようには仕事ができない状態に戸惑いました。
このままでは迷惑をかけるだけでなく、お腹の子にも影響がでるのではと思い、店長と副店長に妊娠を報告することにしました。安定期前でしたが、早めに報告をしたほうがいいと考えたのです。さらに、2人とも家庭を持っているため、理解してくれるのではないかと期待して報告に向かいました。

店長は「おめでとう! 仕事は無理のない範囲で、辛くなればいつでも座っていいよ。重い商品は代わるからね」と優しい言葉が返ってきました。
「ありがとうございます! ご迷惑にならないように、できる限りのことは頑張ります。」と私は感謝を伝えました。

耳を疑う言葉

続いて副店長へ報告に向かいます。しかし、妊娠を伝えると、みるみる表情は曇っていきました。
「安定期前で流産の可能性もあるのに、報告が早くないか? しかも、悪阻くらいなら働けるでしょ」と発言。

私はショックで一瞬言葉が出ませんでした。
なんとか、「店長には、無理せずできる範囲で業務を行うようにと言われました。ご迷惑をおかけしないように頑張りますが、どうしても辛い場合はご相談させてください。」と伝えると、
「ふーん。重い商品はそんなにないし、店長の言うことを鵜呑みにしないでね。産休まで甘えないでしっかり働いてよ。」と吐き捨てるように言いました。
私は「分かりました。」と泣かないように我慢しながら返事をするので精一杯でした。

妊婦の大変さ

その数日後、吐き気や嘔吐で食欲不振が続いた私は倒れてしまい、妊娠悪阻で2ヶ月間入院することになりました。
妊婦の大変さを知った副店長は、「申し訳なかった。仕事のことは考えなくていいから、ゆっくり休んで欲しい。」と謝罪してきました。
その日以降、副店長は深く反省した様子で、常に体調を気遣ってくれるようになりました。

世の中には副店長のように、「悪阻くらいで」と思う方もいるかもしれません。
しかし、妊娠中の体調は人それぞれです。
理解し合うのは大変かもしれませんが、お互いに思いやりと想像力をもって仕事をしていきたいなと思いました。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2022年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。

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