痛みで足を引きずり、夜もほとんど眠れない日々を送っていた母親がいます。手術のあと、松葉づえで小さく、おぼつかない足取りで前へ進む彼女のそばには、4歳の息子がいました。母親は当時、手術のことをほとんど話していませんでした。
「認めるのが怖かった」
米国出身で、2010年から英国で暮らす歌手でダンサーのキンバリー・ワイアット。これまであまり語ってこなかった手術当時の経験を、写真や動画とともにインスタグラムに投稿しました。44歳のキンバリーは、「Don't Cha」で知られるガールズグループ、プッシーキャット・ドールズのメンバーです。
手術の前、キンバリーはほとんど歩けない状態だったといいます。受けたのは、股関節を人工関節に置き換える手術です。
「私はずっと、強くて体を動かせる側の人間でした。体は私の楽器でした。それが壊れたと認めるのが怖かった」
「だから黙って、やるべきことを続けました」
今年6月には英国の新聞の取材で、手術が必要になった原因を本人が2つ挙げていました。毎晩のように踊り続けてきたことと、3人の子どもを帝王切開で産んだことです。
4歳の息子の手

手術のあと、歩き方を一から覚え直しました。投稿した写真のひとつには、松葉づえで少しずつ歩く彼女と、そばを歩く息子のフォード。当時4歳で、今は6歳です。この写真について、キンバリーはこう書いています。
「息子が、ママがもう一度歩けるように手伝ってくれていました」
「今あの写真を見ても、手術は目に入りません。見えるのは強さです」
病室で眠るキンバリーの手に、フォードが小さな手を重ねる写真もあります。

そして今、キンバリーはグループのツアーで再びステージに。その最中に、こうつづりました。「何かが起きる前の自分に戻ることだけが、成功ではないのかもしれません。その経験を経た新しい自分に出会うことこそが、成功なのかもしれません」
Photo:Aflo

