およそ17年間、900便超を操縦か
捜査当局の発表によると、この人物は2009年に機長へ昇格して以降、2025年の退職まで、およそ17年間にわたり900便以上の国内線・国際線を操縦していたとされています。この間の給与は日本円にして3億円を超えるとみられています(1カナダドル=115円換算、2026年7月16日時点)。
この発表を行ったカナダのピール地域警察によると、逮捕されたのは元エアカナダ機長のジェフリー・ウォール容疑者(59)。ウォール容疑者は事業用操縦士免許こそ保有していたものの、大型機を機長として操縦するために必須の「定期運送用操縦士免許」は取得していなかった疑いがあるといいます。
発覚のきっかけは書類の不審点
発覚のきっかけは、2025年に行われた通常の資格確認調査。免許関連の書類に不審な点が見つかったことでした。捜査は「プロジェクト・イカロス」と名付けられ、今年1月に開始。ウォール容疑者は、詐欺罪や偽造文書行使罪(2件)、偽造マーク所持罪(3件)など7つの罪で訴追されています。
「家庭医が脳外科手術をするようなもの」
ピール地域警察のミリノビッチ副本部長は記者会見で、「これは家庭医の資格を持つ医師が、自分のオフィスで脳外科手術を行っているようなものだ」と述べ、「専門資格には、それぞれ理由があって追加の要件が定められている」と強調しました。警察は、容疑者が雇用主と規制当局の双方に対し、自身の資格を偽っていたとみています。
エアカナダ「安全性は損なわれていない」
今回の事件について、ウォール容疑者が勤務していたエアカナダは「同社に所属する全パイロットは、6カ月ごとの技能確認訓練に加え、12カ月ごとにカナダ運輸省認定の審査パイロットによる飛行チェックを受けている」とした上で、「今回の件によって安全性が損なわれたことはない」との声明を発表。
その一方で、「適切な免許を保有していることは、航空業界の安全を支える重要な仕組みの一つであり、この問題を重く受け止めている」とも述べました。事件は現在も裁判に向けて手続きが進められており、今後の司法判断が注目されます。
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