32時間を支えた小さな希望
2026年6月24日にM7.2、M7.5の連続地震がベネズエラ北部を襲いました。12歳のファビアナさんは自宅マンション1階の台所で建物の倒壊に巻き込まれ、瓦礫の下に閉じ込められました。当時母親は外出中で、ファビナさんは1人でした。
彼女は当時の心境について、「私はとても不安になりがちで閉所恐怖症だけど、なぜか変に落ち着いていました。精神的にショック状態だったのかもしれません」とBBCに話しています。
身動きが取れない状況の中、不自然な方向に曲がった片脚の痛みを取り除くため、がれきを動かした時でした。ファビナさんは、「脚を伸ばせるようにがれきを少し動かしました。そのときに擦り傷や切り傷を負いましたが、ケチャップのボトルと粉チーズを見つけました。それが意識を保つ支えになったんです」と必死に意識を保ったことを明かしました。
人と救助隊がつないだ少女の命
ファビナさんがいた建物では、同じく閉じ込められていた看護師が、自分の声が誰かに聞こえるか呼びかけていました。
それを聞いたファビナさんが返答すると、看護師はファビナさんに落ち着くように、すべてがうまくいくだろうと声をかけたといいます。
地震から6時間後、先に救出された看護師はファビナさんの生存を伝え、ボランティアのビクトルさんらによる懸命な救助活動が行われました。
そして地震発生から約32時間後、ファビアナさんは無事に救出。左足を骨折し、擦り傷を負いましたが、大きな後遺症はなく、現在は祖母の家で生活しているということです。母親のカリナさんによると、およそ50人が暮らしていたマンションで、生存が確認されたのは3人だけだったといいます。
希望を伝える一つの物語
この地震では今も被害が拡大していると報じられています。一方で、ファビアナさんの生還は、希望を象徴する出来事として世界中で伝えられました。
大規模災害では厳しい現実が続くなか、一人ひとりの命をつなぐ救助活動や支え合い、「どんな状況下でも決して諦めないこと」の大切さが、多くの人に勇気を与えています。
Photo:Aflo

