世界的人気グループBTSの復活ツアーが大きな盛り上がりを見せる一方で、チケットをめぐる詐欺被害が相次いでいます。
約3年ぶりとなる大規模ワールドツアーを待ち望んでいたファンたちは、激しいチケット争奪戦に直面。その混乱に乗じて詐欺師たちが暗躍し、東南アジアでは被害総額が10万ドル(約1500万円)を超えたと報じられています。

「どうしても行きたい」ファン心理を悪用
BTSは今年4月からワールドツアー「Arirang World Tour」をスタート。2027年まで続く予定の大型ツアーで、世界34都市・88公演が予定されています。
需要は供給を大幅に上回り、アジアではチケットを求める人の数が販売枚数の15倍以上に達したとみられています。
そのため、公式販売で購入できなかったファンの中には、SNS上の転売アカウントや「チケット取得代行」を利用しようとする人も少なくありません。
しかし、その心理につけ込んだ詐欺が広がっています。
VIP席購入のため17万円送金も…
インドネシアのファン、Veveeさん(26)は、ジャカルタ公演のVIPチケット4枚を確保するため、X(旧Twitter)で見つけた転売アカウントに約1200ドル(約17万円)を送金しました。
ところが、送金直後に相手との連絡が途絶えたといいます。VeveeさんはBBCに対し、「送金した瞬間に返事が来なくなった。本当に悲しくて胸が張り裂けそう」と心境を語っています。
金額は、彼女の月給約2か月分に相当する額だったそうです。

BTSがメキシコの国立宮殿を訪問
100人超が同じ手口で被害
タイでも同様の被害が発生しています。
125人以上のファンが、チケット取得を代行すると名乗るXユーザーへ数百ドルずつ送金。しかしチケット販売当日、そのアカウントは突然消滅しました。
被害者らは国会議員に相談し、返金に向けた支援を求めています。また、シンガポールやマレーシアでも同様の被害報告が相次いでおり、各国当局が警戒を呼びかけています。

BTS人気だからこそ起きる問題
BTSは2013年のデビュー以来、世界最大級のファンダム「ARMY」を築いてきました。
活動休止期間を経て実現した今回の復活ツアーは、多くのファンにとって長年待ち望んだ特別なイベントです。
実際、チケットを手に入れるために仕事を休んだり、高速回線のあるネットカフェを確保したりするファンもいたといいます。
そんな熱狂があるからこそ、「どうしても行きたい」という気持ちが冷静な判断を鈍らせてしまうのかもしれません。
TicketmasterはAIを活用した転売対策や本人確認の強化を進めていると説明していますが、被害は依然として続いています。
夢だったBTSとの再会。その期待の大きさが、皮肉にも詐欺師たちの格好の標的となってしまっているようです。
Photo:Aflo
