反抗期真っ最中の娘のひと言
私には高校2年生の息子と小学5年生の娘がいます。ある日の夕食時のこと。 料理をテーブルに並べると、娘が大きなため息をつきました。「ねぇ、嫌いなものばっかなんだけど! 食べられないじゃん。最悪!」
娘は現在、絶賛反抗期中。最近はこのような攻撃的な言葉を口にすることも多く、「また始まった……」と半ば呆れ気味でした。その日も、できるだけ気にしないようにしていたのですが……。
温厚な兄が見せた本気の怒り
次の瞬間、後ろから「バンッ!」と机を叩く音が響きました。低い声で、「それ、誰に向かって言ってるの? 作ってもらって当たり前みたいな言い方は違うだろ。嫌なら文句を言う前に、自分で作れるようになってから言えよ。それができないなら出ていけ」怒ったのは、なんと息子だったのです。
普段はとても温厚で優しく、どちらかといえばのんびりした性格。そんな息子が本気で怒っている姿に、私も娘もかなり驚きました。娘はいつも優しいお兄ちゃんに強く叱られたことで大号泣。
息子は「ほら、早く出ていけ」と続けます。娘は「ごめんなさいぃぃ……!」と泣きながら謝ります。
呆気に取られていた私もハッとして、「お兄ちゃん、もういいから、ありがとうね」と止めると、「お母さんに謝りな」と厳しい口調で娘に言いました。
息子のまっすぐな言葉
娘は涙を流しながら、「お母さん、ごめんなさい……!」と謝ってくれました。私からも「そんなふうに言われたら、お母さんも悲しいからね」と伝え、その場はひとまず収まりました。
その後、夕食を食べながら息子は妹に優しく語りかけます。「毎日ご飯が用意されていることは当たり前じゃないんだぞ。給食だってそう。作ってくれた人に感謝しなきゃいけないし、給食や家のご飯だってお母さんやお父さんがお金を払ってくれているから食べれるんだ。そのことを忘れるなよ」
怒鳴るのではなく、きちんと理由を説明しながら伝える姿に、私は思わず感心してしまいました。
母が思わず胸を熱くした理由
息子の話を聞き、娘も少し落ち着きを取り戻しました。そして改めて「お母さん、ごめんなさい」と謝ってくれました。
いつもは優しくて穏やかな息子。そんな息子があんなに厳しく怒った姿には驚きましたが、母親の気持ちに寄り添い、妹に厳しくも真剣に向き合ってくれたことに、私は胸がいっぱいになりました。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:タカダ ミオ
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。