“好き嫌い”扱いされるつらさ
私はいくつか食べ物のアレルギーがあるのですが、義母は“アレルギー=好き嫌い”の認識で、深刻さが伝わっていませんでした。
特に面倒なのがカフェインアレルギー。胃痛や吐き気が出るのですが、義母は「苦いコーヒーが嫌いなだけ」と思い込んでいます。義実家へ行くたび「はちみつ入れると飲める」「ホイップ乗せるとおいしい」と、“克服方法”を提案される状態。
味の問題じゃないんだけど……
ある日も「これなら飲めるから!」とコーヒーに黒糖を入れたものを出されました。「味の問題じゃないんだけど……」と思いつつ、空気を悪くしたくなくて1杯だけ飲むことに。
案の定その日の夜はずっと胃がムカムカ。ところが義母は大満足だったようで、「私のアドバイスでコーヒー克服できたのよね」と親戚の前でも得意げ。悪気がないからこそ断りづらい状態が続きます。
犬アレルギーでも慣れれば平気?
さらに厄介だったのが犬アレルギー問題。私だけでなく娘にも症状が出るのですが、大の犬好きの義母は「かわいさでアレルギーなんか飛んでいく」が口ぐせ。義実家へ行くたび、「犬がいた方が情操教育にいい」「そのうち欲しくなるわよ〜」と犬を飼うことを勧められ、毎回苦笑いしていました。
そしてある日、半ば強引に義母の知人の大型犬と触れ合わされた結果、娘は目を腫らしてくしゃみが止まらなくなってしまいました。私はさすがに限界を感じました。
“気の持ちよう”では済まない
慌てる私を見ても、義母は「最初だけよ」「免疫つけないと」と反省は皆無。そこで、夫から「アレルギーは気合いでどうにかなるものじゃない」とかなり強めに説明してもらうと、やっと理解してくれたのか、それ以降、“克服チャレンジ”を押し付けてこなくなりました。
昔は「慣れれば平気」という考え方も多かったのかもしれませんが、アレルギーは命に関わることもあります。悪気がないから大丈夫、では済まない――。認識の違いの怖さを、身をもって感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。