とんでもない理不尽なクレームをつけてくる人に、思わず驚かされることがあります。そうした場面では、お店側にも冷静かつ適切な対応が求められ、その判断の難しさに悩まされることも少なくありません。今回は、筆者の友人・ゆうさん(仮名)が経験した、クレームの「嘘」が明らかになったスカッとエピソードを紹介します。

静かな食事中に起きた突然のクレーム

その日、ひとりのお客様からクレームが入りました。通常通り、十分に火を通すタイプの料理を提供しており、厨房で中心温度や加熱状態を確認していたため、問題のない一皿でした。

ところが一口食べたお客様が、開口一番「これ火通ってないよね? ちゃんと見てる?」と強い口調で言いました。すぐに厨房でも再確認しましたが、やはり十分に加熱されており、調理過程に誤りは見当たりませんでした。

第三者が見抜いた不自然なクレーム

それでもお客様は引かず、「作り直して。それとこれは食べるから置いといて」と主張し、さらに同じ料理の再提供まで要求する流れに。

対応に迷っていたところ、隣の席のお客様が「さっきから様子を見ていたんですが、最初からクレームをつける前提で言っているように見えました」と声を上げました。耳に入る距離で一部やり取りを聞いていたうえ、注文直後から不自然に厨房側を何度も確認する様子も見ていたと言います。

明らかになった事実と一転した態度

この一言をきっかけに店側も状況を整理し、本人に改めて確認したところ、クレームが事実に基づくものではないことをあっさり認めたのでした。

その後は一転して態度が変わり、それまでの強い口調とは打って変わって静かに謝罪し、「提供済みの分」と「作り直した分」の両方をきちんと支払うことに。

静かに収束したクレームの結末

さっきまでの勢いが嘘のように小さくなった姿と、淡々と会計を済ませて帰っていく様子が対照的でスカッとしました。

店側としても、無用なトラブルが大きくなる前に、静かに区切りをつけるかたちとなったのです。結果として、「噓はばれる」ということが、はっきりと示された出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:中條みき
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。