小学生になり、学童に行き渋る娘
私の娘は小学生になったばかり。学校には慣れてきたものの、たまに「学童行きたくない」と連絡してくることがあります。1人で家に置いておくわけにもいかず、月に1回程度ではありますが、上司に許可をとり、会社に連れて行っていました。
もちろん周りの邪魔にならないように、静かに宿題をさせたり、本を読ませたりしていましたが、休憩中の同僚がお菓子をくれたり、話しかけてくれたりと気を遣わせてしまうので、毎回申し訳なくてたまりませんでした。
「なんで?」と声をかけてくる同僚
ある日のこと、また娘を職場に連れて来ていると、同僚の佐藤さん(仮名)に「なんで娘さん連れてきてるの? 」と話しかけられました。
私は事情を説明しましたが、その後も「旦那さんに頼めないの? 」「まだ帰れないの? 」としきりに聞いて来ます。その時は「心配してくれているのかな」と思っていました。
同僚の言葉に何も返せず
翌日、休憩中に佐藤さんと一緒になったので、「昨日はご心配をおかけしてすみません。今日はがんばって学童に行くみたいです」と伝えました。すると、佐藤さんは冷めた顔でこう言ったのです。「子供連れてきている人ってさ、ただの幸せ自慢? って思うよね。周りも気遣うしさ」
私も連れて来たくて連れて来ているわけではない、と思いましたが、それはこちらの事情。同僚に気を遣わせていることも事実です。私は「すみません……」と言い、それ以上は何も言えませんでした。
私を救ってくれた上司の言葉
するとそのやり取りが聞こえたのかはわかりませんが、娘を連れてくる許可をとった上司がこちらにやってきました。「きのうはお疲れだったね。娘さん1年生? 困った時はお互い様だからいつでも連れてきていいから」大きな声でそう言うと、笑いながら去っていきました。隣にいた同僚もそれ以上言って来ることはありませんでした。
子育てをしていると、色んな人に迷惑をかけることも多く、申し訳なさでいっぱいになります。そんな中で、上司が言ってくれた「困った時はお互い様」という言葉。そのひと言に私はずいぶんと救われました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:小橋美月
マスコミ業界に16年勤務。業界で培った原稿執筆のスキルを活かし、ライター業へ。さまざまな職種、ライフスタイルの人への取材を通じた、「生きたエピソード」が強み。働く女性の葛藤や子育て、夫婦関係など、実体験に基づいたリアルな物語を届ける。