この仕事量でこの給料?
私は事務職として働きながら子ども2人を育てていました。仕事と家庭をなんとか両立していましたが、唯一の悩みは給料の低さ。フルタイム勤務に加え副業もしていたものの、「本業でもう少し評価されたい」という気持ちがありました。
さらに部長は、「子育てを理由に時短は甘え」「育休は迷惑」と言い切るタイプ。「事務は利益を生まないし給料は上がらない。不満なら営業に行けば?」と、まったく理解のない環境でした。
あきらめモードの職場
同じ立場の女性たちも、「言っても無駄」とあきらめ状態。職場全体にモヤっとした空気が流れていました。そんなある日、人事部のベテラン女性が退職すると発表されます。その人は長年会社を支え、評価も高く、しかも部長のお気に入り。
「なんであの人が?」と社内がざわつきます。私も驚いていると、部長から「ちょっといい?」と声をかけられました。
急変した部長の態度
そして突然、「原さんの働き、ちゃんと見てるよ。来月から月給2万円上げる予定です」と告げられたのです。
さらに「これからは優秀なワーママの環境を整えないとね」と、今までと真逆の態度で、素直に喜べず色々勘ぐってしまいます。あまりの方向転換に内心混乱しました。
声はちゃんと残っていた
私は退職したベテラン女性に連絡。すると、「給料低すぎるし、ワーママに理解なさすぎて無理って言って辞めたよ」という返事がきました。さらに、「『環境変えないと人がいなくなりますよ』って伝えた!」と聞き、すべてが繋がりました。
結果的に待遇は改善され、同じ立場の女性たちの空気も少し前向きになりました。我慢して黙る人が多い中で、ちゃんと声を上げた人がいた。その言葉は、辞めたあとも職場に影響を残していたのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。