「体力つけてね」に込められた義母の愛情
産後すぐの慣れない育児と寝不足で、心も体も余裕がなかった頃、義母が毎日のように手料理を届けてくれていました。
煮物や揚げ物、栄養を考えた品数の多い食事ばかりで、「体力つけなきゃね」という気遣いが伝わってきて、本当にありがたい差し入れでした。
うれしいはずが追い込まれていく日々
けれど、その優しさは次第に負担にもなっていきました。大きなタッパーが何個も並び、冷蔵庫は常にパンパン。授乳や寝かしつけに追われる中で、食べきること自体がプレッシャーに……
何も言わずに気づいた夫のひと言
ある日、義母がいつものように手料理を届けに来てくれていました。すると夫が、何気ない口調で「すごく助かってるけど、今は食べ切るのが大変だから、少し量を減らしてもらえるとありがたいかも」と伝えてくれたのでした。
義母は一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐに「気づかなくてごめんね。無理させてたね」と、やさしく受け止めてくれました。
あとで知ったのですが、夫は冷蔵庫の様子や、私が無理をして食べている姿に気づいていたそうです。私から相談したわけではなかったのですが、夫なりに状況を察していたようでした。
察して動いた夫、100点すぎた
それ以降、料理の量は無理のない範囲に落ち着き、冷蔵庫にも心にも余裕が戻ってきました。自分からは言い出せなかったことを、夫が気づいて自然に橋渡ししてくれたことが、何よりありがたかったです。
気づいて動いてくれた夫の姿に「やるときはちゃんとやるじゃん」と、少し見直した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:中條みき
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。