看病のための休暇と、同僚の嫌味
私は、時短勤務で働く一児の母。先日、娘の急な発熱で、やむを得ず看護休暇を取りました。一日中、熱でうなされる娘に寄り添い、ようやく熱が落ち着いた翌日。出社した私を待っていたのは、同じ時短勤務の同僚・恵(仮名)からの冷ややかな言葉でした。
「いいわね、昨日スーパーで見かけたわよ。看病って言いながら買い物してたんでしょ? 私たちは残された仕事で忙しかったのに」 あまりの物言いに耳を疑いました。私は病院の帰りに、脱水症状を防ぐための「OS-1」を買いに寄っただけだったのです。
広まる悪評
「受診の帰りに、必要な飲み物を買いに寄っただけだよ」 必死に説明しましたが、恵は鼻で笑い、「言い訳は見苦しいわ。独身の子たちだって見てるんだから、もっと自覚を持ちなさいよ」と聞く耳を持ちません。
それどころか彼女は、周囲に「あの人は休暇を悪用してショッピングを楽しんでいる」と言いふらしました。職場の空気がどことなく冷たくなり、私は肩身の狭い思いで過ごすことになりました。
ドラッグストアでの「衝撃的な再会」
そんな数日後のこと。今度は恵が「子どもが熱を出したので休みます」と急遽欠勤しました。私は「お互い様だし、大変だろうな」と、彼女の分の仕事もフォローして一日を終えました。
その日の夕方、私が別の用事で立ち寄ったドラッグストアでのことです。レジの列に並んでいると、目の前に見覚えのある後ろ姿がありました。今日、看病で休んでいるはずの恵です。
彼女のカゴの中には、子どもの看病に必要なものは一切なく、大量の新作化粧品や自分のための服が詰め込まれていました。
静かになった職場
振り返った恵は、私の顔を見た瞬間、持っていた商品を落とすほど動揺しました。 「あ、これ、これは、その……」 真っ青な顔でしどろもどろになる彼女に対し、私は極上の笑顔で一言、こう告げました。「看病、大変そうですね。……それ、OS-1ですか?」
自分のついた嘘が、私が持っていたものと同じ「買い物」という形で見事にブーメランとなって自分に突き刺さった恵。その後、彼女は気まずさからか、私の欠勤を一切攻撃できなくなりました。
今では職場に平穏が戻り、私は自分なりに仕事と育児の両立を続けています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。