子どもにとって親はかけがえのない存在。幼いなりのまっすぐな言葉で気持ちを伝えられると、恥ずかしいけれど嬉しくなりますね。今回は私のママ友・舞子(仮名)が経験した、母の日にまつわるエピソードです。

あまり自信がない料理

私には5歳の娘がいて、パートで働きながら家事に育児に、忙しい毎日を送っていました。ですが私は家事全般があまり得意ではなく、特に料理に関しては夫から、「レパートリーが少ない」「味がイマイチ」と日頃よく言われていました。

それでも家族のために毎日、家事育児と仕事の両立に励んでいました。

保育園で褒められた手紙

5月のある日。保育園へ娘を迎えに行くと、折り紙で作ったカーネーションと手紙を渡されます。「娘ちゃん、頑張ってお手紙を書いていましたよ。絵もとても上手に描けています」と保育士さんに褒められ、娘は嬉しそう。

手紙を見て私は感動し、「あとでパパにも見せようね」と丁寧に片づけ、保育園を後にしました。

手紙を見て戸惑う

夫が帰ってくると、さっそく娘が手紙を持って駆け寄りました。「パパおかえり! 見て! ママへの手紙を書いたら、先生に褒められたんだ」と手紙を見せます。

すると夫は、少し戸惑ったような表情を見せました。手紙には、書けるようになったばかりのひらがなで「ままへ。いつも、おいしいごはん、ありがとう」と書かれていたのです。

さらに文字の周りには、ハンバーグやオムライスなどと思われる料理のイラストも。そして笑顔で食事をする家族の絵が描かれていました。

パパも好きだよね?

「ママが作るごはんが世界で一番おいしい。私の好きな料理を作ってくれるからママ大好きだよ」と無邪気に微笑む娘。さらに「パパも、ママの作ったごはんが一番好きだよね?」と聞かれた夫は、気まずそうに答えます。「……うん、そうだね」

娘が寝た後、夫は今までの言動を謝ってきました。愛しい娘の言葉が心に響いたようです。それ以降、料理の味やマンネリについてとやかく言わなくなりました。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:伊村えりか
薬剤師歴12年。就業を通じて多くの人生や、悩み、奇跡などに直面し、それらを伝えるべく執筆活動を開始。職場や同世代の女性との会話をもとに、医療現場の裏側から家族の「あるある」まで、多岐にわたるテーマで執筆を手がける。子育てサイトのアンバサダーを務め、身近な視点を活かしたコラムを執筆中。