誰しも初めてのことに挑戦するのは勇気と体力が必要です。大きなストレスがかかることもあるでしょう。しかしだからと言って、八つ当たりをしていい理由にはならないのですが……今回は、私の勤務する脱毛サロンでのエピソードをご紹介します。

人生初の脱毛

私は脱毛サロンに勤務しています。ある日、新規の60代のお客様Aが「脱毛をやりたいの」とご来店。脱毛もエステも初めてとのことで、通常より時間をかけてメニューや支払い方法を丁寧に説明。納得いただいたうえで施術を始めました。

難航する施術

ところが施術が始まると、Aさんは「昔はVIO脱毛なんていかがわしい商売の人がするものだった」や「他人の脱毛をしていて恥ずかしくならないの? 親御さんが可哀想」などと発言。

さらに選択されたWAX脱毛の痛みに耐えられず、「こんなに痛いなんて聞いていない! 詐欺だ!」と大騒ぎ。通常より大幅に時間がかかり、ようやく施術を終えたものの「全剃りはやっぱり恥ずかしい、戻してほしい」と言い出す始末。

もちろん毛を元に戻すことはできません。店長もやって来て、同意書や説明内容を再度確認しながら「WAX脱毛は表面の毛をなくしただけですので、しばらくすればまた生えてきますよ」と伝えました。するとAさんは「脱毛なのにまた生えてくるなんて詐欺だ!」と強い口調で反発されたのです。

再来店

一度の施術で毛が完全に生えなくなるわけではないことは重々説明済でしたが、Aさんはその後も散々暴言を吐き続け、そして「もういい!」と言い捨てて退店。

入店時から懐疑的な様子だったため、私たちはいつも以上に丁寧に説明を重ねていましたが、「もっと良い伝え方があったのでは」とその日は夜遅くまでスタッフミーティングが開かれました。

そして数か月経ったある昼下がりのこと。Aさんが再び来店されたのです。店長が対応すると、第一声は「脱毛がこんなに素晴らしいなんて知らなかった!」と。実は更年期障害による不正出血に長年悩まされていたそうで、VIO脱毛によってそのストレスが大幅に軽減されたのだと語られました。

新しい楽しみ

その後A様は、WAX脱毛と機械脱毛の両方のコースを一括契約。今では来店される度に脱毛だけでなく、エステのさまざまなメニューを楽しんでくださっています。

初来店時には強い不安や抵抗を示されていたものの、初めての施術を通じて新しい価値を見出し、生活の質を高めているA様。新しい物事に挑戦することの大切さを目の当たりにすることができました。

そして新しいことを始める時はストレスがかかるもの。改めてお客様に寄り添うことの重要性も確認することができたのです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。