お受験マウントをとるママ友
私は、子どもが保育園に通っていた頃、少し距離を置きたいと感じるママ友がいました。彼女は子どもを有名私立小学校に通わせることに心血を注いでおり、いわゆる「お受験ママ」として周囲に知られていました。
彼女は、地元の公立小学校に進学予定の私に対し、「公立なんてレベルが低くて庶民的。〇〇ちゃん(私の子)は公立なの? 可哀想に……」と、常に見下すような言葉を投げかけてきました。
「それぞれの家庭の考え方があるのに」とモヤモヤしましたが、私は反論せず、愛想笑いでその場をやり過ごしていました。
入学式当日、校門の前で見た人影
季節は巡り、春を迎えました。入学式当日、私は真新しいランドセルを背負った娘と一緒に、地元の公立小学校へと向かいました。
桜が舞う中、校門の前にある「入学式」と書かれた看板の前で、記念撮影をしようと並んでいた時のことです。私たちの数人前で写真を撮っている親子を見て、私は自分の目を疑いました。
バッタリ遭遇
そこにいたのは、あのお受験マウントをとっていたママ友だったのです。彼女はあんなに公立をバカにしていたのに、私と同じ公立小学校の看板の前で、所在なさげに立っていました。
後から聞いた話では、第一志望から併願校までお受験にすべて落ちてしまい、二次募集も叶わなかったそうなのですが、彼女は見栄を張って周囲にはその事実を隠し通していたようでした。
逃げるように去った彼女の背中
順番が回ってきた際、私と彼女の目がバッチリと合いました。彼女は「あっ……!」と声を漏らし、顔から火が出るほど真っ赤になりました。そして、娘を連れて看板の前から逃げるように校舎へと駆け込んでいったのです。
あれだけ公立を「レベルが低い」と言っていた彼女が、結局は同じ場所にいる……。あんなに必死にマウントをとっていた彼女の背中を見ていると、なんだか気の毒なような、複雑な気持ちになりました。
それ以降、彼女と学校で顔を合わせても、以前のような傲慢な態度は一切なくなりました。子どもの成長を祝う大切な日に、自分の見栄で居心地が悪くなってしまうのは少し悲しいことだな、と感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。