重い生理痛のつらさ
私は昔から生理痛が重いタイプです。いつも鎮痛剤を飲んで対処してはいるものの、それでも腹痛で動けなくなる日もあるほどでした。
ある週末、夫と出かける予定がありました。けれどその日に限って症状が重く、ベッドから起き上がるのもつらい状態で、外出はキャンセルすることになったのです。
夫のひと言に残った違和感
数日前から楽しみにしていた夫は、少し不満そうな様子で私に向かってこう言いました。「……生理痛ってさ、慣れないものなの?」「もう20年くらいの付き合いなわけでしょ?」
夫は本気で不思議そうな顔をしています。私は(そういうものじゃないんだけど……)と思いながらも、そのときはしんどさもあって言い返す気力が出ませんでした。
経験したことがないから仕方ない。そう頭で分かっていても、夫の言い方が引っかかって、モヤモヤした気持ちだけが残りました。
思い出したあのときの言葉
それからしばらくして、今度は夫が体調不良の日がありました。熱はないものの少し風邪気味らしく、ソファで横になっています。「ちょっとしんどいわ……」と、いつもより弱った様子でした。
その姿を見たとき、私はふと、あのときの夫の言葉を思い出しました。生理痛で苦しかったときに感じた違和感が、そのまま浮かんできたのです。そして、私はあえて夫に同じように返しました。「……それって、慣れないものなの?」
夫に伝わった瞬間
「え?」と顔を上げる夫に、私は続けました。「だって、今まで何回も風邪ひいてるよね?」夫はきょとんとして、そのあと「あ……」と小さく声を漏らしました。
自分の言ったことを思い出したのか、そのまま少し気まずそうに黙り込みます。しばらくしてから夫は、「ごめん……あのときの言い方、よくなかったね」とぽつりと口にしました。
それから夫は、前よりも私の体調を気にかけてくれるようになりました。悪気がなかったつもりの言葉でも、自分が言われる立場になって初めて分かることがある。私からのささやかな『仕返し』は、夫にとって、それを身をもって知るきっかけになったようです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。