カラオケには毎日、様々なお客様がやってきます。そのほとんどが良い方ばかりなのですが、中には困ったオーダーをしてくる人もいます。それも女性スタッフがいる時にだけ。果たしてそのオーダー内容とは……今回は、私のお客様の実体験をご紹介します。

困った常連客

私の勤務先のカラオケ店には、Mという中年男性の常連客がいました。最初は普通のお客さんでしたが、次第に女性スタッフに対してセクハラ発言やボディタッチをするようになり、問題行動が目立つようになったのです。

狙われる昼間

Mは主婦スタッフが多く、男性スタッフの少ない平日の昼間を狙って来店するようになりました。わざと個室で飲み物をこぼし「掃除してほしい」とフロントに連絡し、女性スタッフが床を拭く姿をニヤニヤ眺めるという悪質な行為を繰り返すM。

店長は、Mの対応はなるべく男性スタッフがするよう指示しましたが、昼間は男性スタッフがいないことも多く、私たち女性スタッフが対応せざるを得ない状況でした。

エスカレートする迷惑行為

ある日、Mの行動はさらにエスカレートしたのです。女性スタッフは胸元を見られないように、Mの対応をする際はお店のパーカーを羽織って対応していました。

それに気づいたMは、床掃除中の私に「パーカーを脱げば?」と迫ってきたのです。私がやんわり断ると、「脱ぐの手伝ってあげる」と私の肩に触れてきました。その瞬間、個室のドアが開き、「これ以上迷惑行為を続けるなら警察に通報しますよ!」と店長とマネージャーの姿が。

「たまたま手が当たっただけだ!」と反論し立ち上がろうとしたとき、自分でこぼしたドリンクに足を滑らせ、大きくしりもちをついてしまったM。さらに店長が「あなたの行動は防犯カメラで全て記録されています」と告げると、Mは「気分が悪い! 帰る!」と叫び退室していきました。

戻ってきた平穏な日常

Mの会計は店長が対応し、その後Mが来店することは二度とありませんでした。最後に見えたMの後ろ姿は、ずぶ濡れのお尻。その光景に、私を含め女性スタッフたちは少しだけスカッとした気持ちを覚えました。長く続いた不快な時間が終わり、ようやく安心して働ける日常が戻ってきたのです。

様々なハラスメントが社会で問題視されるようになった今も、セクハラやパワハラを続ける人は残念ながら存在しています。大切なのは、一人で抱え込まずに勇気を持って声を上げること。そして周囲と協力して対応することで、自分自身だけでなく仲間を守る力にもつながっていくのだと思います。

【体験者:30代・パート勤務、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。