昭和の育児を押し付ける義母
私が、生後3ヶ月の息子を必死に育てていた頃のことです。義母(60代女性)はとても干渉してくるタイプで、「昔は泣いてもすぐに抱かなかったのよ。すぐに抱っこしたら『抱き癖』がついて、ワガママな子になるわよ!」と、昭和の育児論をたびたび押し付けてきました。
私が泣いている息子を抱っこしようとするたびに、「また抱こうとして! ダメよ!」と強引に阻止してくるため、私は大きなストレスを抱えていました。
待合室で泣き叫ぶ息子と、放置する義母
ある日、息子の定期検診があり、なぜか義母も「心配だから」とついてきました。
小児科の待合室は混雑しており、順番を待っている間に息子がぐずり出してしまいました。私が慌てて抱っこであやそうとすると、義母は「また抱き癖がつく! 少し泣かせた方が肺が強くなるのよ、放っておきなさい!」と無理やり息子をベビーカーに戻してしまったのです。
大泣きする息子と、ドヤ顔で放置する義母。周囲の保護者たちからは「どうして抱っこしてあげないの……?」という冷たい視線が突き刺さり、私は居たたまれない気持ちでいっぱいでした。
得意げに口を挟む義母と、ベテラン医師
ようやく順番が呼ばれ、診察室に入りました。ベテランの小児科医は、泣き疲れてヒックヒックと息をしている息子を見て、私にこう優しく声をかけてくれました。「お母さん、赤ちゃんは不安で泣くんです。もっとたくさん抱っこしてあげてくださいね」
すると、すかさず義母が前に身を乗り出し、「先生、そんなにすぐに抱っこしたら、抱き癖がつきますよ!」と、自分の育児論が正しいと言わんばかりに得意げに口を挟んだのです。
笑顔のド正論に、顔を真っ赤にして沈黙
義母の言葉を聞いた医師は、にっこりと微笑みながらピシャリと言い放ちました。「おばあちゃん、今は『抱き癖』という言葉は育児指導で使いません。たくさん抱っこされて安心感を得た子の方が、情緒が安定して自立が早いと分かっているんですよ。昭和の常識は、どうかアップデートしてくださいね」
待合室でのドヤ顔から一転、最新の医療現場で専門家から常識を完全に否定された義母は、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。これ以降、義母が私の育児に口を出してくることは一切なくなり、先生の神対応には今でも心から感謝しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2021年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。