持ち物の勘違い
子どもの習い事が主催するアウトドアイベント。私は子どもやその友達との思い出作りをしようと、楽しみに出かけました。
持ち物には「牛乳パック」とあり、ママ友のちかさんは当日の朝、わざわざコンビニに寄って牛乳を買ってイベントに参加しました。必要なのはあくまでパックで、中身の牛乳はいらないことにまったく気付いていないのでした。
炎天下の大誤算
イベントは始まり、牛乳パックを使った工作の説明がありました。「牛乳パック? 中身はどうするのよ?」不穏な空気が流れます。ちかさんはこの時やっと、必要なのはパックで、中身はいらないことに気付いたのでした。
しかし、この日は夏の暑い日。カバンの中に入れられていた牛乳は膨張し、少しの刺激であろうことか破裂してしまったのです。カバンの中が牛乳まみれになってしまいました。
主催者にクレーム
ちかさんは激怒して主催者にクレームをつけました。「牛乳パックと書いてあるだけでは分かりません」「牛乳パック(中身なし)と書くのが普通でしょ? 普通分かりませんよ? 私は普通ですから! 普通に分かりませんよ」
「普通」を連呼しながら、自分が勘違いしたことは認めずに書き方が悪いと言い続けました。
冷静かつ真っ当な返し
ちかさんのクレームを黙って聞いていた主催者が、重い口を開きました。「お言葉ですが、今回の参加者は200名おられました。牛乳を持ってきた方はあなただけです。199名が中身なしの牛乳パックを持って来られましたが、どちらが普通でしょうか? お考えいただけますか?」
主催者のド正論に、負け惜しみのように「私は普通です!」と言い放ち、牛乳が滴るカバンを持ってちかさんは帰っていきました。
「普通」の概念は人それぞれ。「普通」であることが一番難しいと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2018年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:ふくまる よしまる
保育士を経て、2児の育児をしながらライター業をスタート。これまでの職業経験から育児のテーマを得意とする。特に保育士時代の出来事や、視覚障害がある子どもの育児をする自身の経験、そして同世代のママたちの声をもとに、女性を元気づけるための発信を精力的におこなう。