これは私の友人のエピソードです。いつもだらだらしてしまう私とは正反対で、行動力のかたまりな彼女。何事も即行動、しかも結果が出るまでやりとげる性格。そんな彼女が急に語学学習を辞めてしまった理由とは……

行動力のかたまり

私の友人Mは学生時代から「分からないことがあればすぐに人に聞く」タイプで、行動力のかたまりのような存在でした。海外旅行に行った際も、言葉が通じなくても臆せず質問していたM。

今でも「そのリップいいね! どこの?」と聞かれ、私がブランドを教えると、数分後にはネットで購入済み。あるいは別れてすぐに買い物へ出かけてしまうほど。

仕事と夫婦関係

そんな彼女の行動力は仕事にも活かされ、どんどん出世して今では夫の年収を越してしまった彼女。

私は気心が知れた仲なので「旦那さん、ひがんだりしてないの?」と直球で聞いても、「ひがんでないよー! むしろ主夫になりたがってる!」と笑いながら答えられるほど、夫婦関係は円満。実際にMの夫と三人で飲みに行った時も、本当に仲の良さが伝わってきました。

新たな目標

そんなMとしばらく会う機会がなく、久々に会った時の事。「忙しかったの」とM。理由を聞くと「今、語学を習得したくて、仕事後に勉強してるんだ」と。もともと海外好きなMなので、私は近々海外転勤でもあるのかなと思いました。

それからまた会う機会はなくなり、半年ほどが経過。ようやく再会した際に「語学習得した?」と尋ねると、Mは「やめたの!」と笑って答えたのです。

行動力を止める“力”

私が「難しかったの?」とたずねると、Mは理由を教えてくれました。

「本気で勉強してTOEICで結構高得点が取れたんだ。久々に夫と海外に行った時、ホテルのフロントやレストランの注文も自分でできるようになって。でも、今まで夫のかっこいいところって英語が話せるところだったの。海外で英語を話す夫を見ていつもキュンとしてたのに、自分ができるようになったらキュンとしなくなっちゃって! これはまずいと思って勉強をやめたんだ。旅行の目的の半分は、夫の英語を話す姿を眺めることだったからね」と。

Mにとっては語学習得や海外勤務よりも、夫の横顔にキュンとする瞬間の方が大切だったのです。

行動力のある彼女は、行動する力も、そして行動を止める力も人一倍持っていました。そして夫への愛を語るMの横顔に、私も思わずキュンとしてしまったのです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。