夜泣きの隣で完全スルーの夫
午前3時。静寂を切り裂くような娘の泣き声が、寝室に響き渡ります。 暗闇の中、重い瞼をこすりながら我が子を抱き続ける私のすぐ横で、まるで別世界の住人のように、規則正しく寝息を立てる夫。
「聞こえていないフリ」なのか、それとも「自分の仕事ではない」という意思表示なのか。様子を見にくることさえしない夫の無関心さに触れるたび、私の心にはイライラが積もっていきました。
生後8ヶ月の夜泣きのピークを迎えた娘をあやし続け、ようやく寝かしつけた頃には、空が明るくなり始めていました。フラフラになりながらリビングへ向かうと「ふぁ〜、よく寝たわ」と夫。その無神経な一言に、私の我慢は限界を迎えました。
「ねえ、夜中あんなに泣いてたのに、一度も起きてくれなかったよね?」と問い詰めると、夫はトーストを頬張りながら、「いや、俺は明日も仕事だし。母親なんだからさ、そういうの慣れなよ。効率悪いじゃん、二人で起きるの」
この言葉を聞いて、家族というチームのつもりだった私の心は冷え切っていきました。
露呈した夫の「本性」
その週末、法事で義実家へ帰省した際のことです。環境が変わったせいか、娘が夜中に激しく泣き出し、私は申し訳ない気持ちで廊下へ出ようとしました。夫は相変わらず布団の中でスマホをいじり、「うるせえな、外連れてけよ」と小声で毒づいたのです。
絶望感のなか、襖が開く音がしました。「あんた、今の言葉、本気で言ってるの?」
聖母が豹変した午前4時
立っていたのは、いつも穏やかな義母でした。寝間着のまま寝室へ踏み込むと、夫のスマホをひったくり、凍りつくような低い声で続けました。
「仕事さえしてれば、家族の苦しみを無視していいなんて教えた覚えはないわ。今すぐその子を抱きなさい。できないなら、明日からこの家にあなたの居場所はない」マザコン気質の夫は顔を真っ赤にして狼狽し、震える手で娘を抱き上げました。
義母はさらに、「周囲への想像力がない人間が、大成するはずがない」と一刀両断。夫は一晩中、義母の監視下で泣き止まない娘を抱いて部屋を歩き回り、翌朝には見たこともないほど憔悴しきっていました。
孤独なワンオペ育児を救う「最強の味方」
「あさこさん、うちの馬鹿息子がごめんね。また非協力的だったらいつでも言って」 翌朝、義母がかけてくれたその言葉は、私にとって何よりの救いとなりました。
【体験者:40代女性・主婦、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:M.Mochizuki
大学卒業後、薬剤師として勤務。第二子の出産をきっかけに、ファイナンシャルプランナーやオンライン秘書などにも転身。それらの経験を経て、出会った人間模様や教訓を記事として執筆中。特に、夫婦関係や子育て、家族の在り方をテーマに生活者のリアルに寄り添うコラムを得意とする。