結婚してから知る、義実家の常識。私の友人・美佐さん(仮名・20代女性)も、自分の実家にはなかった、ちょっと珍しい義実家ルールにとまどったことがあるそうです。今回はその体験談をご紹介します。

義母からの援助金

新婚時代の話です。義母は、スープの冷めない距離に住んでいます。いつも年末が近づくと、なぜか義母は私にこっそりお金を渡してくれていました。

もらう理由もないので断ろうとしますが「年末年始は何かと物入りだからね。これで冬支度でもしてね」と半ば強引に渡されます。その申し出を無下にするわけにもいかず、ありがたく受け取っていました。

もらったお金は義母に還元

しかし、正直言って何に使えばいいのか分かりません。冬支度といっても、特に必要ものも浮かびませんでした。「せっかくなら義母のために使いたい」と思い、そのお金は、毎年のお年賀にあてることにしました。

援助金の意味

そうして数年が経ったあるとき、夫から衝撃の事実を聞かされます。夫の実家では、子どもの頃から「元旦=新しい服を着る日」だったそう。つまり、義母が渡してくるお金には「新年は新品の服で迎えなさい」という意味が込められていたのです。

たしかに、夫はいつも年末に服を新調していましたが、それは彼の「個人的なこだわり」だと思っていました。まさか「義実家の風習」だなんて考えもしませんでした。

ふと、いつかの元旦、私は義母に「そのお洋服、こないだも着てたわね。お気に入りなのね」と言われたときのことを思い出しました。何気ないやりとりだと思っていましたが、言葉の意味を今になって理解し、なんともいたたまれない気持ちになりました。

郷に入っては郷に従え

今まで教えてくれなかった夫にも、遠まわしな義母の伝え方にも、最初はモヤモヤが止まりませんでした。とはいうものの、義母はよかれと思ってやってくれていることなのでしょう。善意をないがしろにはできません。

翌年からは、きちんと新品の服を用意して新年を迎えるようになりました。現在では、服の新調は「年末やることリスト」の必須項目です。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。