珍しくやる気を見せた夫
ある休日、夫が珍しく張り切って昼ごはんを作ってくれたことがありました。料理を作る前から得意げで「今日は俺が作る」と自信満々だったのを覚えています。
普段はそこまで台所に立つタイプではないので、こちらも「お、今日は助かるかも」と少し期待。本人もやる気だったようで、まるで特別イベントでも始まるかのような空気でした。
始まった“こだわりプレゼン”
食べる前には、工夫した点の“プレゼン”が始まりました。中でも夫が語ったのが、パンケーキ。「隠し味に、冷蔵庫にたまたまあったバニラエッセンスを入れたんだよね」と、どや顔。
すると長女がすかさず、「“たまたまあった”んじゃなくて、ママが買ってきてくれたんだよ。入れたほうが美味しいから」と冷静にツッコミ。
夫は少したじろぎましたが、そのまま何事もなかったように食事は進みました。
料理のあとに残る“本番”
しかし食後、キッチンを見て私は思わず絶句。使った道具や食材が散乱し、大惨事になっていたのです。料理を終えた夫は達成感で満足した様子でしたが、片付ける気配はありませんでした。
作って終わり、やりきった顔、でも台所は戦場。その光景があまりにも“あるある”すぎて、逆に笑えました。けれど、毎日それを回している側からすると、そこから先こそが家事の本番だったりします。
長女のひと言がいちばん刺さった
その様子を見た長女が、夫に「片付けもしたほうがいいよ」とひと言。「ママはいつも最後まで全部自分でやってるよ」と、家事の現実を伝えました。私が言うと角が立ちそうなことを、長女が純粋な目線でさらっと言ってくれました。夫もさすがに何も言い返せず片付けを始めました。
家事が“イベント”の父と、毎日“生活”として回している母との違いを、長女はちゃんと見ていたのだと思います。子どもは思っている以上によく見ていて、家庭の中の不公平さにも気づいているのだと感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。