娘の髪型はショートカット
私には4歳の娘がいます。娘の髪型は、今はショートカットです。というのも、娘はゴムで髪を結ぶのが苦手で、昔から嫌がってしまうのです。引っ張られる感じがどうしても気になるようでした。
最初に髪を切ったのは2歳。保育園で遊ぶときに邪魔になりそうで、美容室でばっさり切ることにしたのです。結果は大正解でした。親としてもお手入れが楽になりましたし、何より本人が快適そうに過ごしています。
切った髪に残念そうな義母
ただ、そのときひとりだけ、少し残念そうな反応をしたのが義母でした。「え〜切っちゃったの?」「女の子なのに……長くして結ぶのが可愛いのに」そう言われて、私は「本人が嫌がるので……」とやんわり伝えましたが、どこか引っかかる空気が残っていたのを覚えています。
それから娘は短い髪にすっかり慣れ、現在もそのスタイルを気に入っている様子でした。
娘の素直でまっすぐな言葉
そんなある日、義実家に遊びに行ったときのことです。義母がまたふと、「そろそろ髪、伸ばさないの〜?」「保育園の子たち、可愛くしてるでしょう?」と口にしました。その瞬間、私は(あ、どう返すかな……)と少しだけ身構えました。
すると娘はぱっと顔を上げてこう言います。「うん! みんな可愛く結んでる〜!」そしてにこっと笑って続けたのです。「でも、わたしの髪も短くて可愛いでしょっ?」
空気がやわらいだ瞬間
その言い方はとても自然で、どこか誇らしげです。誰かと比べるわけでもなく、自分のことをそのまま素直に「可愛い」と言い切る姿に、私は思わずはっとしました。娘の言葉を聞いた義母も一瞬言葉に詰まり、それから「そうね、似合ってるわ」と小さく笑います。
場の空気がふっと和らいだように感じました。私がやんわり伝えてもなかなか届かなかったことも、娘自身の言葉になると腑に落ちるものがあったのかもしれません。
それ以来、義母から「伸ばさないの?」と言われることはなくなりました。子ども本人の一言の強さを、改めて感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。