義母との連絡
私は夫と結婚したときに、義両親と連絡先を交換しました。頻繁に連絡が来るわけではなかったのですが、ひとつだけ少し気になることがありました。
それは、義母が『急ぎじゃない用事』でもすぐに電話をかけてくることです。内容は、「来週末、夕飯はどうする?」「りんごを頂いたんだけど、今度来たとき渡すわ」など、今すぐでなくても構わないことばかり。
私はそういう用件こそ、LINEやメールでやり取りできたら助かるなと思っていました。私の中では、『すぐ返事が必要=電話』『あとで返してもいい=メール』という感覚があったからです。
電話に出られなかったとき
ある日、私は手が離せず義母からの電話に出られなかったことがありました。あとから着信に気づいて折り返すと、義母がさらっとこう言ったのです。
「加奈子さん、いつも電話取るの遅いわね〜」「3コール以内には取るものじゃなかったかしら?」強い言い方ではないのですが、まるで会社の電話マナーのようで、私は思わず苦笑いしてしまいました。
それからも同じようなやり取りが何度か続き、どう伝えたらいいのかと少し悩むようになりました。
テレビで聞いたタレントの考え
そんなある日、義実家で一緒にテレビを見ていたときのことです。バラエティ番組で、若いタレントがこんな話をしていました。
「電話って苦手なんですよね〜。いきなり鳴るとドキッとするし」「急ぎじゃないことはLINEでよくないですか?」「電話したいときは、一回『今いい?』って聞いてほしいです」私は思わず「わかる……」と心の中で頷いていました。
すると、テレビ画面を見ていた義母が、少し考えるような顔でこう言いました。「今はそういうものなのねぇ……」
少し変わった連絡の仕方
それからしばらくして、義母からの連絡が少し変わりました。いきなり電話が鳴るのではなく、「今、電話しても大丈夫?」と事前にメッセージが届くようになったのです。
その変化に気づいたとき、私は思わず笑ってしまいました。あれだけ気になっていたことが、こんなふうに自然と変わるとは思っていなかったからです。どうやら義母の中で、『3コール以内ルール』はそっと卒業したようです。
少しだけモヤモヤしていたことが、無理に伝えなくても解決して安堵した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。