世の中にはありとあらゆる職業が存在します。勤務形態も様々で、外出が多い職業もあれば、完全在宅の仕事も。もし、完全在宅勤務の家族がある日突然、行先も告げずに長期出張に行ったとしたら。不安を感じずに笑顔で見送ることはできるでしょうか……今回は、私のお客様のエピソードをご紹介します。

突然の出張

私の夫は在宅勤務のエンジニアで、結婚前からずっと家で仕事をしています。ある日、夫が突然「2週間出張に行ってくる」と言い出したのです。

これまで一度も外に働きに出たことがなかったため、私は驚きました。「場所は?」と尋ねると「山の方」とだけ答える夫。曖昧な返事に不安が募りました。

募る不安

翌朝、私が目を覚ますと夫は既に荷物をまとめて出発していました。私は「これって別居? それとも浮気?」と胸のざわつきが止みません。電話やLINEをしても「仕事中」と一言だけ返ってくる程度。

夜になると少しやり取りできるものの、すぐに「仕事に戻る」と言われ、既読すらつかなくなります。電話をしたいと言っても「職場の人がいるから」と断られる日々。

そんな中、ようやく繋がった電話の背後からはにぎやかな音が聞こえ、さらに「誰と電話してるんですか~?」という若い女性の声まで。私はついに「浮気された」と確信しました。

現場へ急行

夫の居場所はGPSアプリで確認でき、確かに山奥にいるようです。「今から行くから」とだけ告げ、私は車を走らせました。

数時間のドライブの末、目的地に到着。「着いた」とLINEを送ると「危ないから車から出ないで、すぐに行くから」と夫。勢いで来たしまったけどどうしよう、と考えを巡らせていると、すに夫が現れました。

夫を見たら自然に涙がこみ上げ、「浮気してるんだよね? 私はまだ別れたくない」と口が勝手に動きます。夫は「浮気してないよ! ここがどこかわかってる?」と強い口調の返答。周囲を見渡すと、そこは教習所のようでした。

新しい趣味

夫は私に内緒で免許合宿に参加していたのです。「いつも〇〇(私)に運転してもらって申し訳なくて、免許を取りたいと思っていた。仕事が落ち着いた今しかないと思った。サプライズにしたい気持ちと、この年で若者に交じって免許合宿に参加するのが恥ずかしくて言えなかった」と夫は打ち明けてくれました。

電話口に出た女性は、合宿先で酔っていた若者で面識もない人だったとのこと。夫はその後、無事に免許を取得。今では毎週末、夫婦でドライブに出かけています。

小さな不安の種は時間が経てば経つほど大きくなってしまうことも。時には勇気を出して向き合うことで、思っていた以上にあっさりと解決へとつながるのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。