フルタイム × 子育ての現実
娘が4歳だったころの体験談です。私はいわゆる「ワーママ」として、フルタイムの仕事と家事育児に慌ただしい日々を送っていました。
仕事をしながら子どもを育てるのは、口ほど簡単ではありません。朝は1分1秒も無駄にできず、仕事を終えれば家事と育児が待っています。夜は電池が切れたように倒れこみ、そのまま次の朝が来る。毎日に心の余裕はありませんでした。
手抜きの後ろめたさ
食事の用意に使える時間も限られており、メニューを考えることすら面倒に。そのため朝食は毎日同じものに固定。夕食も、手軽な一品料理やテイクアウトで済ませる日もありました。
SNSを開けば、ママ友たちが手の込んだお料理を投稿しています。「よそはよそ、ウチはウチ」と心のなかで唱えても、どこか後ろめたさを感じる日々でした。
大事なのは、メニューの中身じゃない
そんなある日、私が用意した食事を見て娘がこんなふうに言ったのです。「あっ、今日は餃子パーティーだね!」その日のメニューは冷凍餃子。フライパンに並べて焼くだけの、私にとっては「手抜きお助けメニュー」です。そんな食事でも、娘は美味しそうに餃子を頬張っていました。
また別の日には、残業で買い物に行けず具なしのそうめんを用意したことも。そこでも娘は「そうめんパーティーだね!」と言って楽しそうに食べていました。
私にとって「パーティー」は、特別な日に、手の込んだメニューを用意するイメージです。しかし娘の目には、ただの餃子でも具なしのそうめんでも、毎日の食卓が特別なパーティーに見えているようで驚きました。
毎日パーティー開催中
もしかしたら、娘はただ「パーティー」という単語を使ってみたかっただけかもしれません。それでも、その一言に救われたのは事実です。
見方が変われば気持ちも変わる。メニューに関係なく、娘と一緒になんでも楽しもう。そんな気持ちで、今朝もいつもどおりの食事を並べながら、「食パンパーティー」開催中です。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。