筆者自身の体験談を紹介します。子どもの入園・入学は、親にとっても大切なイベント。だからこそ、わたし自身も「きちんとした服装で臨みたい」と思っていました。しかし、本番当日に見たのは、あまりにも予想外すぎる光景でした。

4月から入園する保育園

仕事の関係で、8月生まれの息子は翌年4月から保育園に通うことになりました。入所日は4月1日。園では毎年、その日に入園式を行っているようでした。

当時の私に「ママ友」と呼べるような人はおらず、園から渡された準備物の資料のみが頼りです。おむつや着替え、給食タオルなどを準備しながら、夫婦2人分のスーツも同時進行で用意します。0歳の息子には、モノトーンのお洋服と、ネクタイ柄のよだれかけを着せることにしました。

準備万端かと思いきや

準備物よし、記名よし、当日の衣装よし。すべての作業を終えたあとには、一種の充足感すらあります。「これで安心してハレの日を迎えられる」と思っていたのに、わたしたち夫婦を待ち受けていたのは、まったく予想していなかった光景でした。

思ってたんと違う

迎えた入園式当日。小ホールにびっしりと座っている保護者たちを見て驚きました。なんと9割以上が、普段着での参加だったのです。なかにはジャージ姿 & 裸足の人も。ビシッとスーツ姿の人もある程度はいましたが、そのほうがアウェーな状況でした。

先生方も、とくに気にする様子もなく式を進行していきます。だからこそ余計に戸惑うばかりでした。後から知ったのですが、「入園式」と形式上は銘打っているものの、実際には在園児の進級式も兼ねていたようです。年度初めの説明を行うために、在園児の保護者たちも4月1日に集められていたのでした。

もはやお決まりの光景

2年目以降は、わたしたちも在園児の保護者として、ラフな私服で参加するようになりました。パリッとしたスーツに身を包んだ、新入園児の保護者が戸惑っている様子を見るたびに、ひっそり共感してしまいます。

スーツと私服がちぐはぐに混じり合う、不思議なセレモニー。後にも先にも、貴重な経験だったと思います。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2019年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。