これは、私の友人から聞いた話です。妊娠中のつわりがひどく、思うように体が動かせない日々を経験した友人。最初は優しく気遣ってくれていた夫も、徐々に「またかぁ」とため息まじりに……。時は流れ、ついにあのとき感じた「思い」を伝える絶好の機会が到来したらしく――。

思うように動けなかった日々

私は、妊娠がわかってからしばらくして、つわりが重く出るようになりました。仕事も思うように続けられず、休みがちに。家でも体がつらくて、横になっている時間が増えていきました。最初のうちは夫も「無理しないでね」と声をかけてくれていたのですが……。

届かなかった「思い」

「今日も夕食作れなかったんだね」「妊娠って、病気じゃないって聞いたけど」そんな言葉をため息まじりに言われるようになりました。

「今はちょっと体がきつくて……」と正直に伝えましたが、どこか腑に落ちない様子。もう少しでいいから寄り添って欲しい――そんなモヤモヤする気持ちが募っていきました。

よみがえる、あのとき

無事に出産を終えて、慌ただしく駆けぬける毎日。そんなある日、夫が仕事の都合で親知らずを一気に4本抜くことになりました。

抜歯後は顔が腫れ、「痛くて食べられない」と会社も休むほど衰弱した夫。分担していた家事も育児もほとんど私のワンオペ状態に……。そんなとき、「あのときの思い出」がふと頭をよぎったのです。

思わず……放ってしまった言葉

「家にいたのに、今日も夕食ないんだね」「親知らずって、病気じゃないって聞いたけど」夫は驚いた様子で、「弱ってるときにそんな言い方しなくてもいいじゃないか!」と激怒。

すかさず私も「つわりでつらいときに同じこと言われたんだよね」「言葉で伝えても寄り添ってくれなかったから思わずやり返しちゃった、ごめんね」と。その瞬間、夫の表情が一変し、「……つらいときに寄り添えなくて、あのときは本当にごめん」と反省してくれました。

それ以来、体調が悪いときや余裕がないときほど、どう寄り添うかを夫婦できちんと話し合えるようになりました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:島田歩実
元銀行員として、女性のキャリアやお金にまつわるあれこれを執筆中。アメリカへの留学経験もあり、そこで日本社会を外から観察できたこともライターとしての糧となる。現在はSNSなどを介してユーザーと繋がり、現代女性の声を収集中。