妖精のような先輩スタッフ
まほさんは、私より4つ年上の先輩でした。小柄でおっとりした雰囲気の女性で、透き通るような透明感があり、まるで妖精のような人。
さらに特徴的だったのが、驚くほどの童顔。私も最初に会ったとき、「まさか年上だなんて」とかなり驚いたのを覚えています。そのときのまほさんの年齢は28歳。れっきとした大人の女性でした。
接客中にやってきたもう一人のお客さん
ある日、私とまほさんの2人でお店に立っていたときのこと。最初に女性のお客さんが1人来店し、私が接客についていました。しばらくすると、今度は50代くらいの女性のお客さんが入店。店内をぐるっと見回したあと、私に声をかけてきました。
しかし私はすでに先にいらっしゃったお客さんの対応中。しばらく両方に対応していましたが、だんだん手が回らなくなってきました。そこで私は、まほさんにヘルプをお願いすることにしたのです。
思わぬ勘違いにびっくり
「すみません、次からあちらのスタッフに対応を代わってもらいますね」そう伝えた瞬間でした。その女性は突然、「え!?」と大きな声を出して驚いたのです。
何事かと思っていると、女性は慌てた様子でこう言いました。「か、彼女、店員さんだったの? 私てっきり小学生かと思っていて……」まさかの言葉に、私も思わずびっくり。
確かにまほさんは童顔ですが、まさか小学生だと思われていたとは思いませんでした。
童顔すぎて起きる“あるある”
実は、この出来事は決して珍しいことではありませんでした。まほさんがあまりにも童顔なため、「スタッフだと気づかれない」という事件は、その後も何度か起きていたのです。本人は「ネームタグつけてるんだけどねぇ?」と首を傾げながら、いつものおっとりした笑顔。
周りにお花畑が見えそうなほど柔らかい雰囲気のまほさんは、その日もまるで何事もなかったかのように接客を続けていました。童顔すぎるがゆえの、思わず笑ってしまう出来事でした。
【体験者:20代・女性販売員、回答時期:2010年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。