正社員と派遣社員。分け隔てなくフラットに接する会社もあれば、どこか見えない線引きがある職場もあります。今回のエピソードは、そんな“雇用形態の違い”が生む認識のズレを感じた出来事。友人あいさん(仮名・30代女性)が派遣社員として働く中で気づいた、大切な距離感のお話です。

派遣社員として広報部で勤務

以前、広報部で派遣社員の事務スタッフとして働いていました。契約内容は「事務補助」で、業務は会議室の予約や資料印刷などのシンプルな作業。

部署では毎月、社内向けの広報誌を作る会議があり、私も参加していました。役割は資料配布や議事録作成など、あくまでサポート。記事内容や取材、写真の選定、レイアウトの方向性などはすべて社員が決める仕組みでした。

任されていたのは“作業”部分だけ

広報誌の制作では、各担当社員から共有される原稿や写真をまとめ、指示通り記事をコピペしたり写真を配置したりするのが私の役割。決まった内容を形にする“作業”の部分です。

ある日、一人の男性社員が声をかけてきました。「このページさ、なんでこのレイアウトにしたの?」と突然聞かれ「担当の社員さんからこの内容で入稿があったので、そのまま作成しました」と正直に答えました。

「もっと提案したら?」と言われ……

すると男性社員は不満そうに、「ここはこう変えよう。内容もこっちが良くない? 今から打ち合わせしようよ」とのこと。私は困りながら、私は掲載作業の担当なので記事の内容や構成を変更できる立場ではないと説明。

しかし男性社員は納得しない様子で、「そういう姿勢じゃダメだよ。もっと積極的に提案していかないと」と言います。その口調はどこか威圧的で、まるで“やる気がない人”を注意しているように聞こえました。

派遣の仕事は「線引き」が大切

とはいえ、派遣社員に契約外の業務をさせるのは本来会社としても問題があります。考えた末、担当の社員さんに確認いただくよう伝え、その場をやり過ごしました。

社員側が派遣の仕事内容を十分に理解していないケースも意外と多いそう。あらかじめ業務範囲を共有したり、自分から説明しておくことが、無用なトラブルを防ぐことにつながるのだと感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。