「社会人は時間厳守」「勤務態度はきちんと」――そんな“風紀委員”を自称する上司がいました。若手にはとても厳しい人だったのですが、ある日の出来事で思わぬブーメランが。思わず職場のみんなが苦笑いしたエピソードです。

自称「部署の風紀委員」

営業部署で働いていたころの実体験です。課長代理の山崎さん(仮名・50代男性)は、自称「部署の風紀委員」。挨拶や勤務態度、時間管理には厳しく、若手社員が少し席を立つだけでも目を光らせます。

若手が会社1階のコンビニに飲み物を買いに行くと「まだ昼休みじゃないよね」「仕事中にコンビニ?」とチクチク注意。注意された側も「確かに仕事中だし……」と納得するしかなく、「すみません」と席に戻ります。

人には厳しいけれど……

ところが山崎さん自身はというと、タバコ休憩で1日に何度も席を外します。行き先はだいたい同じく1階のコンビニ。誰かに「さっきも行ってませんでした?」と冗談っぽく言われても、「いや〜俺ヘビースモーカーだからさ」と、てへっと笑うだけ。

人には厳しく、自分にはやたら甘い――そんな空気に、部署の中では少しモヤっとしている人も多かったように思います。

「時間厳守」の風紀委員がまさかの……!

そんな山崎さんがある日ちょっとした事件を起こします。取引先も参加する接待ゴルフがあり、山崎さんも参加予定でした。

普段から「社会人は時間厳守だ」「遅刻は信用を失う」と口癖のように言っている人でしたが、当日なんと山崎さんは朝寝坊して遅刻。あれほど時間に厳しい人が遅れて現れたのですから、周囲も思わず微妙な空気になりました。

会長の一言が変えた山崎さんの態度

すると、その場にいた取引先の会長が、みんなの前で冗談交じりにこう言いました。「若い子たちに散々偉そうにして、自分が遅刻かよ!」。

その一言に場はどっと笑いに包まれ、山崎さんも「後輩の皆様、申し訳ございませんでした!」と素直に謝ることに。それ以来、山崎さんはタバコ休憩に行く回数を、ほんの少しだけ減らしていたように思います。

完璧な人はいませんが、やはり“人に厳しいなら自分にも厳しく”が理想なのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2020年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。