仕事を辞める理由は人それぞれ。人間関係が原因で辞める人もいれば、給与形態や雇用条件、通勤時間など色々な理由があることでしょう。私の友人が辞めた理由も、一言でいえば人間関係。しかし詳しく聞くと、予想外の理由だったのです。
高時給の求人
当時、私は離婚したばかりのシングルマザーでした。生活を支えるために数年ぶりに働くことを決め、選んだのはコンビニの夜勤。時給の高さが決め手で、採用が決まったときは本当に嬉しかったです。
実家で暮らしていた私は、子供が寝ている間の22時から翌朝5時までのシフトを選びました。
好条件な職場
深夜は店長と二人きりで、客もほとんど来ず、これで時給が発生していいのかと思ってしまうほど。むしろ眠気との戦いが一番の課題でした。トラブルもなく、休憩室で仮眠を取れることもあり、私はこの仕事を楽しんでいました。昼間のシフトに入ることもありましたが、日勤のスタッフも皆優しく、良好な人間関係が築かれていったのです。
ある日、昼間シフトの休憩中に意気投合した女性と飲みに行くことに。連絡先を交換する際、偶然同じ下の名前であることが判明しました。さらに彼女は、別の日勤の女性スタッフも同じ名前だと言い、少し驚きました。
名前に潜む違和感
次の勤務日、夕勤の女性と会話していると、なんと彼女も同じ名前だと判明。気づけばこの店には私と同じ名前の女性が、少なくとも4人いることになり、私は不気味さを覚えました。
その日の深夜、夕勤の女性との会話を聞いていたらしい店長から「気づいちゃった? 実はここで働く女の子は全員Aという名前なんだ」と打ち明けられたのです。
理由は「初めて付き合った彼女の名前がAだったから」だと。さらに「夜勤シフトの子にいたっては寝顔も拝めるから最高。寝顔は眠れる森の美女そのもの」と恍惚として語る店長の言葉に、私は強い嫌悪感を抱きました。
高時給の理由とは
自分の寝顔が見られていたこと、採用基準が元カノの名前であること、すべてが気持ち悪くなり、私は即座に退職を決意しました。昼勤のAさんにも伝えると、彼女も辞表を提出。
幸い勤務先は実家から離れていたため、嫌がらせなどはなく、しばらくしてコンビニは閉店していました。理由は客足の減少か、従業員の大量退職かは分かりませんが、店長の奇妙なハーレムは消え去ったのです。
「高額時給の裏には何かあることが多いのかもしれない」と感じ、働く場を選ぶ難しさを改めて思い知らされました。深夜勤務だから高時給なのだと思っていましたが、実際には表に出ない事情が隠れている場合もあるのかもしれません。
【体験者:30代・女性派遣社員、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。